出演打診 ページ8
二人から『実は高校時代からの知り合いで交際している』と告げられたときは社長も倉本も驚いたが、とても理想的な関係に感動すら覚えた。
もちろん世間に公表はしていない。
それからと言うもの一ファンとして応援しているらしい。
翔平とAは帰省を計画していたが、再三どうしても!という打診と、それを聞きつけたスポンサーのサイナスが「衣装ならご心配なく!こちらでご用意させていただきますよ」と言って来たので承諾へと考え始めた。
もしかしてジャージ着て出演とか?と倉本と笑い合う二人。
「仮に出演するとして、年末年始は寮も閉まっちゃうんですよ」と翔平が悩みを告白した。
「なるほど。従業員の方も帰省するしね」
「そうなんです。当然トレーニングができないんですよね。事務所のジムもお休みって聞いたし」
「そうね」
「もし、練習できる場所を確保してくれるなら出演可能です」
「・・大谷君・・・あなたって人は・・・」
倉本は言葉もなかった。
その隣でAはニヤニヤ笑っている。
「なんで?おかしい?」と翔平。
「いや、翔平君らしいなーと思って」
「megamiはどうする?」
「私はいいかな^^; 客席で翔平君を見守ってます」
「でも、紅白の審査員のギャラって結構いいらしいわよ」
「え?」
ギャラの話を振られて顔色を変えるA。
それを見て翔平はププッと笑った。
「megami、あなたって人は」と倉本のマネをする。
「いくらぐらいなんですか?」
「以前、ウチの俳優が出演したときはこのくらいだったかしら」と計算機を使ってみせる倉本。
「え?そんなに?」と食いつくA。
「大河ドラマの主役だったからなんだけど、若手の割にはいい線行ってたわよ。ベテランだともっといくけどね」
「私は新人だからそれより全然安いとしても雑誌モデルのギャラの何ヶ月分だろう〜」
Aは計算をした。
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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月15日 15時