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ハタチの再会 ページ6





2015年 成人式


「久しぶりの再会に乾杯〜🍻」

花巻市にあるとある居酒屋で20歳になった粕森野球部のOBが集まった。

その中に紅1点Aもいた。

「メガミ、振袖着てくるかと思ったのにスーツかよ」

「しかもパンツスタイルだし。ま、メガミらしいけど」

そう口々にAの振袖姿が見られなかったことを残念がった。

「代表でのスピーチもあったんだから振袖着てくれば良かったのに」

「しかも花巻市広報紙の対談もスーツだし、固すぎる」

「奥州市なんて大谷と久我ちゃんだろ? めちゃ華あるよな」

ずっとそのグチを聞いていたAは「女性の服装にとやかく言うなんてセクハラだからね?」と言った。

「え?セクハラ?」

「そんなつもりないけど」

「私のことなんてどうでもいいじゃん。みんなの彼女とかが振袖でかわいいならさ」

「オレの彼女年下だから来年だしぃ」

「え?おまえ彼女できたん?」

近況報告にわちゃわちゃし始めた。

そんな状況を楽しみながら料理やお酒をお店のスタッフから受け取るなど裏方を仕切るA。

「さすが、マネージャーだな。相変わらずよく働くw」

盛り上がり中の場を離れて幹事の仕事をしているAをねぎらいに元主将の田賀司が声をかけた。

「どうせこんなこったろうと思ったから振袖なんて着てこれるわけないよね」

Aは苦笑する。

「うん、まぁおまえの振袖姿ならこの間の紅白で見たしな。あれで十分だよ」

「そうそう^^・・・・って・・え?」

司の言葉にAは驚いた。

「キャプテン、今なんて?」

司はニッと笑う。

「megamiっておまえだろ?」

「・・・」

きっとここで否定してもお見通しだろう。

「キャプテン、知ってたの?」

「うん。さすがに花生堂のCMの時は気づかなかったけど、始球式のときにすぐにわかったよ」

ボールを投げるマネをした。

「そうなんだ」

「だってキャッチボールの相手、中学ん時からしてたじゃん。そりゃわかるさ。いくらスライダーを付け焼き刃で学んだとしても」

「そっか・・・バレてたのか・・さすがキャップ」

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月15日 15時

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