進路相談 ページ41
そんな話をスタバの一角でコーヒーを飲みながら聞いてて恥ずかしくなるA。
視線は翔平とのLINEに向けられていた。
『でね、なんか藤浪からも問合せが来てたわ』と翔平。
『藤浪君?元気かな?』
『元気なんじゃない?』
『で、既読無視?』
『まーね。それより準備は順調?今年の9月からあっちだっけ?』
『うーん・・・そのつもりだったんだけど・・・また練習終わったら電話するよ』
Aがそう言うと電話がかかってきた。
翔平だ。
イヤホンマイクをただちにセットする。
「今、休憩中で大丈夫だから。なんか気になって練習後とか言ってられない」
「あ、ごめん」
「ううん。で?そのつもりだったけど・・・って何?」
「ウチの弁護士の先生に相談したのね」
「うん」
「将来的にアメリカで仕事するつもりなら、とりあえず大学は休学せずに4年で卒業して、日本で司法修習1年受けてから留学してそのままむこうで就職したほうがいいって」
「なるほど」
「だから留学は2年後の2018年頃かなと考えてる」
「その時は24かぁ。それだったらちょうどオレのMLB挑戦の時期と合いそうだね」
「一緒に行けるといいよね!先生の言うとおり日本での用事は済ませちゃって、アメリカにそのまま行ったほうがスマートかなって気がして」
「いいんじゃない?ホント同じタイミングで向こうに行けると心強い感じもあるし」
「(翔平くんは)25になってから挑戦するんだよね?」
「うん、今のところはそう考えてるけど、球団との兼ね合いもあるしね」
「そっかー」
「ま、オレはとりあえず今年こそは日本一取るぞってことしか考えてないから。結局は自分が決断したときが正解だと思うよ」
自分の決断が正解かぁ・・・とAは翔平のその言葉が刺さった気がした。
「うん、そうだね!なんか話せて良かった^^ 私の中でまとまった気がする」
「外野の声は気にするなよ」
Aは翔平に背中を押された気がしてスッキリとした気分で通話を終えた。
周囲はまだガヤガヤとmegamiについて話題にしていた。
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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月15日 15時