僕のMEGAMI［2］

消えたmegami ページ39

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2016年3月。

「あれ？モデル変わった？」

新シーズンを迎えた化粧品業界。

花生堂の春の新CMが渋谷の高層ビル壁面に映し出された。

2年前に鮮烈デビューしたmegamiから別の新人モデルに変わっていたのだ。

たまたま交差点で立ち止まって見ていた人々は驚いた。

「あれ？megamiじゃなくなったのぉ？」

「誰？」

「絶対megamiのほうがハマってたのに！」

それはSNSでも話題になった。

その上、サイナスの広告も翔平だけになっていたことも気づかれた。

「そういえば、雑誌の方もいつの間にか消えてるんだよね」

「雑誌の場合って毎月載ってなかったときもあったから、今回も休みなのかなって思ってたけど」

「もしかしてモデルやめたのかな？」

その疑問はmegamiの所属事務所に殺到した。



「ソっとフェイドアウトしたつもりなのに、ここでこんなに問い合わせが来るとは・・・」

マネージャーをしていた倉本が困惑した。

「雑誌は専属モデルではなかったから特にお知らせせずにうまくフェイドアウトできたと思ってたけど、さすがに花生堂とサイナスは無理だったかもね」

神野社長が頷いた。

「CMの方は完全にmegamiが顔になってましたからねぇ。売上も好調だったし」と倉本。

「二代目の『美音』は別の事務所の子だけど、megamiほどのインパクトはないみたいね」

「肯定的な消費者もいるみたいですけど、megamiじゃないってことのほうが強すぎて霞んじゃったと言いますか・・・」

「megamiはもう本当にこの業界に戻ってくる気はないのよね？」

神野は倉本に再確認した。

「ええ、そうですね。すでにウチからは退社してますし」

「ちゃんと声明は出しておいたほうがいいかもね」

「では、まとめまして事務所の公式ページにアップいたしましす」


一方、2016年の開幕戦にむけて鎌ヶ谷でトレーニングをしていた翔平にチームメイトが聞いた。

「megamiちゃんてモデルやめたん？」

水を飲みながらその話を聞く翔平。

「さぁ」

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