スポーツキャスター ページ31
美山は「本当に大谷ってそういうとこ変わんないね」と呆れた。
「服しか見てないから」
「で、どういうご関係?」と美山に久我との関係を聞く。
「高校のときにクラスが一緒になって、大学も一緒になったんだよ」
「ふーん、それでか」
すると「大谷君!今日の練習すごかったね!」と久我が翔平のミネラルウォーターを持ってやって来た。
グラスを取って注ぎ入れる。
「あ、どうも。・・すごかったって?」
「ホームラン何本も打ってたし!」
「ああ、フリー打撃練習のことね」
翔平のフリー打撃練習は柵越えの連発だ。
「私、4月からフジテレビのニュース番組でスポーツキャスターすることになったの!絶対に取材に行くからよろしくね!」
「え?まだ大学生なのに?」
すると先輩が「関係ないよ。お天気のお姉さんだって大学生だし」と説明した。
「あ、でもゆくゆくはフジテレビのアナウンサーとして入社する予定です」
「え?久我ちゃん女子アナになるの?」と中田。
「はい^^」
「ええ!それは楽しみ〜!」
「久我ちゃん、かわいいから絶対に人気出るよ。マヤパンとかサトパンみたいに!」
わいわい盛り上がっている中、翔平は料理をもくもくと食べていた。
美山が「あれ食べる?」と遠くにある皿を指した。
「うん」と翔平。
取り分けている美山を見て「なんか意外だなー。翔平って美山さんには心を許してるって感じがする」と中田が言った。
「心を許してるっていうか、中学んときの同級生ですから」
「あ、そうなの?」
「美山さん、こいつって中学んときからこんなん?」
「こんなん?とは?」
「女子に興味ない感じ」
「ああ、そうですね。変わってないと思います」
「でもモテたんとちゃう?」
「そうですね。結構モテてました」
「付き合ってた子とかいる?」
「いや〜・・・知りませんね〜。私もそこまで仲良いわけじゃなかったしw」
翔平は食べ物を口に入れながら「中田さん、何を聞き出そうとしてんですか?」と睨んだ。
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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月15日 15時