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合コン? ページ30

すると「大谷君!お久しぶりです〜!」と久我がニコニコと手を振っている。

「・・・」

誰だっけ?

「あれ?久我ちゃん、大谷のこと知ってんの?って言うか知ってるか。一応こいつもプロ野球選手だし」

「あの、同郷なんです」

同郷・・・?

翔平が思い出そうとしているとツンツンと左隣から腕をつつかれた。

フツメン女子だ。

「おひさ!」

そう言われて顔をじっと見た。

「・・・あれ?・・・美山?」

「そうそう、覚えてくれてた?」

「そりゃ、中3のときのクラスメートだし。全然変わってねーやん」

「変わったよ。これでも痩せたし美しくお化粧してるつもりだし?」

「成人式のときの飲み会いなかったよね?」

「女子は別でやったからね」

翔平と美山という女子が話しているのを見て、同僚は少し驚いた。

「翔平が女と楽しそうに話してんの寮のおばちゃん以外で初めて見た」

小声で言いながら笑う選手達。

久我は翔平の席が遠くに感じたので、接近する方法を考えた。

あ、そうだ。

「何飲みますか?」

メニュー表を差し出す久我。

「じゃあ、最初はナマで」

「オレも!」

「オレも!」

「大谷君は?」

極上の微笑みで尋ねる久我。

「オレは、ミネラルウォーターで」

「翔平!こう言う時くらい飲めよ!」

「だから水を飲みますって」

それを聞いて久我達はクスクスと笑った。

そして久我はウェイターを呼び止め注文を伝えた。

選手達はそれぞれ隣に座っているキレイどころと話を始める。

翔平は美山と話を続けた。

「あのさ、ちょっと聞きたいんだけど」

翔平が小声で聞く。

「彼女って・・誰? 久しぶりとか言ってたんだけど」

久我のことである。

「え?マジでそれ言ってる?」

美山が驚いた。

頷く翔平。


「奥州市の広報誌、成人式と言えば思い出すかな?」

奥州市の広報誌・・・?

成人式・・・


・・・・

・・・

「あ」


翔平は「ああ・・・あの人ね」と思い出した。

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月15日 15時

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