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「なんかお客様なのにいろいろと手伝ってもらっちゃってごめんね」

翔平が帰りの車の中でAに謝った。

運転手はやはり龍平である。

「とんでもない。翔平君の家に来るとにぎやかで楽しいなって思うもん。しかも自家製のお餅まで頂いちゃって」

翔平の実家では男が餅を突く習慣がある。

翔平も昨年までは手伝っていたが、今年は暮れに帰省できなかったため参加できなかった。

「ところで二人ともいつまで実家にいるの?」と龍平が聞いた。

龍平たちは明日帰る予定だ。

「成人式が終わった翌日かな」と翔平。

「一緒に帰るの?」

「うん」

「なかよしだねー^^」

「でしょ?」

否定しない翔平に「お前も変わったねw」と龍平は笑った。

「成人式は楽しみだけど億劫でもあるんだよな」と翔平が言った。

「なんで?」とA。

「物好きなマスコミがたくさん来るらしくて、取材に応じないといけないから」

「物好きって、言い方!それはしょうがないでしょ。有名人の宿命なんだから」

「Aはどうするの?」

「当日は花巻で代表スピーチがあって、そのあと野球部OBで初飲み会」

「ええ?いいなー!」

「成人式終わったら来ればいいじゃん」

「いや〜、中学の同窓会兼ねた飲み会があるんで」

ちなみに高校は県外も多くいるので揃わないとみて企画されていなかった。

「じゃ、そっちはそっちで楽しんでね」

そんなAの素っ気ない態度に龍平はププッと笑った。

翔平、Aちゃんの手の上で転がされてるって感じだなーと思った。

「ところで、龍平さん。涼子さんめちゃくちゃ美人なんですけど、どうやってお知り合いになったんですか?」

Aが龍平に直球で聞いた。

兄との違い→←彼氏



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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月15日 15時

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