トーク番組4 ページ3
現場では一旦ここで休憩に入り、出演者達の衣装やメイクのお直しが入る。
翔平が「発言には気を付けるように」とmegamiを軽く説教している様子が観覧者から見えてクスクスと笑われていた。
「怒られているmegamiちゃんかわいいw」
「大谷君のメッしたあとの優しい笑顔がステキ。あれで落ちないのかな、megamiちゃん」
そんな風に見守られていたことを二人は知るよしもなかった。
そしてADから次のコーナーの説明を聞く翔平とmegami。
失言もあったせいか、いつになく緊張しているAに翔平は気付き、背中にソッと手をやりポンポンと軽く叩いた。
始球式のときは一瞬だったのでこんなに上がることはなかったが、テレビは別次元の世界だと思ったからだ。
やっぱり自分は向いていいないと悟ったAだった。
そして、スタッフの準備も整って収録が開始された。
「さっき、休憩中にmegamiちゃん、大谷君に怒られていましたけど・・・私のせいですか？」とMCがすかさずその話題に切り込む。
「そうだよ！おまえだよ！」とMCに喰ってかかる芸人達。
「megamiちゃんは悪くないよ！」
「大谷君もmegamiちゃんを叱っちゃダメでしょ？このおっさんが悪いんだから」
芸人達の怒りが翔平にまで飛び火するが、そこは番組を盛り上げるための芸人達の機転だったので、翔平も「すみません」と笑いながら答えた。
もちろんみんな爆笑である。
「では、気を取り直して次に進みますね」
冷静なMC。
「どうぞ」
「あくしろよ！」
爆笑。
「始球式のあとにCMが決まって、これまた騒然となりましたが、さらに本邦初公開の新CMをこの番組をご覧いただいている皆さんにいち早くお届けします」
それは紅葉の中をハイキングする様子の二人だった。
挿入歌は往年の名曲。
トレッキングシューズとリュックを中心としたCMだ。
「お二人とも登山とかされるんですか？ 大谷さんから」
「いえ、僕はオフシーズンでも引きこもってトレーニングしてるので外に出ること自体がないですね」
「よくその話を聞くんですけど、本当ですか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琥珀
| 作成日時：2023年7月15日 15時
