翔平の実家 ページ20
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2日後。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」
Aが大谷家を訪れた。
駅まで龍平の運転で翔平が迎えに行き、Aをピックアップして家へ到着した。
実は、翔平の日ハム入団交渉時にマスコミなどが来て家が特定されてしまったため、それからほどなくして実家は奥州市内の別の土地へと引っ越しすることになった。
そんなわけでAは初めて訪れる。
「今年は来てくれて嬉しいわ」と大歓迎の美代子。
「お誘いいただいていたのに伺えなくて申し訳ありませんでした。昨年(大学1年時)は、両親の家に行っておりまして来られなくて。あ、これは母から預かって来ました。シアトルのお土産だそうです」
昨年はAと祖父母でアメリカ・シアトルに住む両親のもとへ行ったのだ。
「まー、お気遣いいただいてありがとうございます。今年はご両親も花巻のご実家に?」
「はい。来年は再び私たちがシアトルに行く予定です」
「交代で行き来してるのね。さ、奥へどうぞ」
ダイニングルームに通されると、翔平の家族が揃っていた。
龍平の妻・涼子がいて、初対面なので挨拶をする。
涼子はミス高知にも選ばれたことのある元高知のテレビ局のアナウンサーだったらしく美人である。
しかもAより若干身長があり、こちらのほうがモデルのようだ。
龍平とは2013年に結婚し、子供はまだいない。
っていうかお嫁さんまで背が高いって、大きな一族だな、と自分のことは棚上げし、Aは心の中で思った。
その涼子は「あの・・間違っていたらごめんなさい。もしかしてモデルのmegamiさんですか?」と聞いた。
翔平はギョッとして、龍平を見た。
龍平は『喋ってない喋ってない』とフルフルと首を横に振る。
するとみんな「涼子さん、よくわりましたね〜」とニコニコしている。
「え?」と再び驚く翔平。
みんな・・・知ってた?
しかし・・・。
ただ一人「え?」というリアクションをする者がいた。
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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月15日 15時