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素敵な衣装 ページ11

「めっちゃ、広い」

一人で使うとは思えないダイニングルームやリビングルームの広さに驚愕だ。

リビングのテーブルにはアレンジフラワーが置かれていて『NHK紅白歌合戦、ご出演おめでとうございます』とホテルからのメッセージが添えられていた。

そして「睡眠する場所は要チェックや」と言って奥のベッドルームへ行く翔平。

「わ、ベッド、めちゃ大きい!」

今にでもベッドにダイブして熟睡する勢いの翔平だ。

Aは(さすが睡魔王)と思った。

さらにベッドの横にスーツと紋付袴がかけられているのに気づくA。


「これって今日着る衣装ですか?」と聞いた。

「そうみたい。サイナスさんから"2着用意しました^^”って連絡頂いたから」

倉本はそう答えた。

「サイナスさんが言うには大谷君のサイズに合わせてるからどちらでもご自由に選んでくださいって」

「ええ?めちゃいい生地ですよね〜」

Aは、モデルでいろんな服を着ているだけあって品質の良さは分かるのだ。

すると翔平が「Aは?」と聞いた。

「じゃ、次はmegamiのルームツアーに行きましょうか」

ガイドの倉本に連れられて向いのスイートルームへと移動した。


「わぁ!ここも素敵〜!しかも花のいい香りがする!」

翔平の部屋とは違い、女性を意識した華やかなもてなしとなっていた。

リビングには、艶やかな振袖とワンピースがかかっていた。

振袖はmegamiのために作られた手描きの京友禅。

一点ものである。

振袖の袂と裾あたりは優しい桃色を基調としており、様々な花や松の和柄が描かれ、上へいくほど白地へと変わり、その地に金色で描かれた大小の花柄が最高の品格を表していた。

帯やその他の小物は花生堂からの提供だった。サイナスと確認しながら用意したらしい。

西陣織の帯はゴールドを基調とし、金糸銀糸で刺繍された和柄模様が芸術品のよう。

そして若草色の帯締めがアクセントとなっていた。

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月15日 15時

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