僕のMEGAMI

指名 ページ10

投手陣は「はい！オレがmegamiさんにピッチング指導をします！」と手を挙げた。

「いや！オレ！」

「オレが！」

「おまえはピッチャーじゃねーだろっ」

みんな屋内練習場でピッチング指導をしてお近づきになりたいという下心が見え見えだ。

それでアイドルを落とした先輩選手達もいるからだ。

指導をしながらコミュできるため連絡交換などの成功率が高い。

アイドルたちから見ても年棒の高いプロ野球選手は最高の物件なのである。

なので、若手女優やアイドルが来るとなれば合コン以上に盛り上がるのだ。

しかも今話題のmegamiとなればなおさら。

megamiはテレビには一切出演しないため誰も生身を見たことがない。



するとコーチがやって来た。

「コーチ！megamiさんのピッチング指導はオレに！」

「いや！オレに！」

「あーもうむさ苦しい。散れ散れ」

コーチは群がる選手達を押しのけながら「翔平」と手招きした。

「はい」

「おまえが、megamiさんのピッチング指導をやれ」

「はい？」

「えええええええ？」

不満そうな顔をする先輩や同僚たち。

「どうして今さら翔平なんですか！今まで始球式に来た女性芸能人は近づけさせなかったくせに！」

「そうですよ！栗山監督が女子アナやアイドルと絡むことを禁止してたくせに！」

「それはオレも知らん。監督がたまには翔平にもやらせろってことじゃねーの？」

コーチは適当に答えた。

翔平は、もしかして監督が気をつかってくれたのかなと思った。

そしてAに結末を送信した。

『オレがピッチング指導係に指名されました^^v』



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