一安心 ページ37
一方、Aを助け出した翔平はAの頬が赤くなっていることに気づいた。
「まさか殴られたの?」
「これくらい大丈夫」
「ちょっと待ってて、氷もらってくる」
翔平はカウンターに行って氷を用意してもらった。
1階でも警察が地下1階のVIPルームに突入した騒ぎを知っていたので事情は知っていたのだ。
タオルに包んでもらうと「ありがとうございます」と言ってAのところへと戻った。
翔平がAの頬に冷たいタオルを押し当てるとAが翔平に抱きついた。
「誰も助けに来てくれないのかと思った・・・」
いつ誰が助けに来てくれるか検討もつかず、いつまで耐えられるだろうと思うと内心不安だった。
翔平は「もう大丈夫だよ」とAをギュッと抱きしめると背中をさすった。
「本当は駐車場でAが連れて行かれるところ見たんだけど、間に合わなくてさ。怖い思いさせてゴメンな」
あのまま車から飛び出して相手に『誰かに気づかれた』ことを悟られてはAがより危険な目に遭うかもしれないと思ったから尾行に徹した。
クラブに着いたところで倉本には車で待機してもらい、Aを連れて来たらすぐに出せるようにお願いしていたのだ。
幸いにも倉本が事務所のメンバーズカードを持っていたのでそれを借りて入ることができた。
倉本は気が気ではなく、警察に連絡しようか迷ったが、すぐに警察の車が到着して10名ほど突入して行ったので安心した。
その様子をクラブから少し離れたところで梨花が見ていた。
この時クラブから一人で出て来たAは、思いのほか元気そうだった。
倉本が待っていたのでお互いハグをし、駐車場へと向かった。
ちなみに翔平は裏口から出た。
「間に合って良かった」と梨花はホッとした。
そのあと、沢村やSally達が手錠をかけられ警察達と出て来た。
クラブにいた客や近所の店からは野次馬が出て来て見ている。
処理をして戻ってきた若頭が「お嬢、沢村達は警察に引き渡しましたぜ」と報告した。
「ありがとう。メガちゃんが無事で良かった」と梨花が言った。
「ったくウチの組の店でとんだことをしてくれたもんですよ。カメラで証拠押さえてるし、きっちり落とし前つけてやる」
「パパの血圧が上がるかと思うとそっちが心配よ」
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琥珀(プロフ) - ユウナさん» 感想ありがとうございます🥹大谷さんがよく寝るって言う話を読んでたら眠くなりましたwまたよろしくお願いします☺️ (6月8日 12時) (レス) id: 6af7a161af (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ(プロフ) - こちらのお話もとっても楽しみです!💞誤字脱字は気にならなかったです!お疲れのところ更新ありがとうございます🙇🏻♀️💞ゆっくり休んでくださいね (6月8日 1時) (レス) @page6 id: 009c333368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年6月7日 22時