主人公の過去その4 ページ6
僕は二人に言葉をかけ続けた。もう二人が僕に話しかけることなどないだろう。
死んでいることはわかっていても、その現実に脳が追い付かず、僕はそこで意識を手放した。
*****
「・・・ん」
ふと目をあけると、そこは知らない天井だった。
「ここはどこ?」
あたりを見渡すと、病室だということがわかった。
あれ、僕はなんでこんなところにいるんだっけ?
「目が覚めたみたいだね、如月君」
「久遠兄さん、どうしてここに?」
目の前にいたのは、親戚の高槻久遠さんだった。彼もまた父と同じく吸血鬼ハンターをしている。
「・・・それは・・・」
久遠兄さんは重い口を開き、僕が気を失ったあとのことを話してくれた。
男の吸血鬼が居なくなった後、すぐに吸血鬼ハンターの捜査班が駆けつけて、僕の身柄を保護してくれたこと。僕の親の遺体を安置所に引き渡したこと。
そして僕は久遠兄さんに引き取られるようになったこと。
「・・・さぎくん、如月君、大丈夫かい?」
「あ、はい・・・」
如月君、目が虚ろだよと言われたけど、自覚は無かった。
目の前の現実がただただ夢であってほしいと思った。
明日、目覚めたら、いつもみたいに母さんが僕を起こしに来てくれて、父さんと母さんと僕の3人で朝食を食べる。
そんな何気ない日常が戻ってくればいいのに・・・
「ああああああああ」
僕は泣き叫ぶ。久遠兄さんが目の前に居ようと恥ずかしさなんて微塵も感じなかった。
親が殺された。
もう二人は戻ってこない・・・そんなことを考えるたび、胸が張り裂けそうなほど痛く苦しかった。
その時、僕はある覚悟を胸に生きることにした。それは親を殺した吸血鬼を必ず殺すこと。
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終始、訂正していきます。
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柊黒炎(プロフ) - ユーンさん» ユーンさん、返事が遅くなりましたが応援コメントありがとうございます。更新速度はかなり遅いですが、自分のペースで頑張っていこうと思っていますので最後まで応援よろしくお願いします。 (2017年11月20日 23時) (レス) id: efc399b360 (このIDを非表示/違反報告)
ユーン - 吸血鬼ハンター………かっこよすぎる〜〜〜〜〜!!\(=>д<=)/これからも頑張ってください!! (2017年10月23日 21時) (レス) id: f77b1d313c (このIDを非表示/違反報告)
柊黒炎(プロフ) - すずはver.アニヲタさん» 応援コメントありがとうございます。とても励みになります!更新は不定期にはなりますが、応援よろしくお願いいたします。 (2017年10月9日 17時) (レス) id: 0630f0c510 (このIDを非表示/違反報告)
すずはver.アニヲタ - かっこえぇぇぇ!! 続きがきになるぅぅぅ! (2017年10月9日 15時) (レス) id: 72db204b8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊黒炎 | 作成日時:2017年9月17日 0時