第５話 ページ12
悔し涙を流したいほどに悲しくて堪らなかった。だけど、今は考えるべきだ。この状況を打破する方法を。
……僕は違和感を覚えた。理性を失った吸血鬼は確かに人を無造作に襲う。しかし、僕の血を吸っている吸血鬼は迷うことなく、僕を襲ってきた。
何故、冬夜ではなく僕の血を？ そう頭の中で考えていたその時……
「やっぱり特別な血を持ってるんですね。如月A」
「「！？」」
僕と冬夜は驚く。それは当然だ。何故なら、僕の名前を知っていたから。
「今日は挨拶に来ただけなんで、これで失礼します。だけど、油断して背後をとられてるようじゃハンターとしてはまだまだですよ。それでは、おやすみなさい」
吸血鬼はそう言うと、夜の闇に消え、僕はその場に座り込んだ。
「A！大丈夫か！」
冬夜は吸血鬼が去ったのを確認し、僕に駆け寄る。
「大、丈夫……」
「どう見ても大丈夫じゃないだろ。お前、震えてるぞ」
腰が抜けて立てない。力を入れようとしても、指一本すら動かすことは出来なかった。
あれが強者の吸血鬼。僕は勝てるだろうか……今の吸血鬼にすら手も足も出なかったのに、彼を殺すことは、親の仇を討つことは本当に出来るのだろうか。
＊＊＊＊＊
それは、はじまりにしかすぎなかった。
この時の僕は初めて強者の吸血鬼に出会い、自分の弱さを痛感した、ただの弱者だった。
しかし、数年後、僕は吸血鬼の間で恐れられるハンターになることを、この時はまだ誰も知らない。
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柊黒炎(プロフ) - ユーンさん» ユーンさん、返事が遅くなりましたが応援コメントありがとうございます。更新速度はかなり遅いですが、自分のペースで頑張っていこうと思っていますので最後まで応援よろしくお願いします。 (2017年11月20日 23時) (
レス) id: efc399b360 (このIDを非表示/違反報告)
ユーン - 吸血鬼ハンター………かっこよすぎる〜〜〜〜〜！！\(=＞д＜=)/これからも頑張ってください！！ (2017年10月23日 21時) (レス) id: f77b1d313c (このIDを非表示/違反報告)
柊黒炎(プロフ) - すずはver.アニヲタさん» 応援コメントありがとうございます。とても励みになります！更新は不定期にはなりますが、応援よろしくお願いいたします。 (2017年10月9日 17時) (レス) id: 0630f0c510 (このIDを非表示/違反報告)
すずはver.アニヲタ - かっこえぇぇぇ！！ 続きがきになるぅぅぅ！ (2017年10月9日 15時) (レス) id: 72db204b8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊黒炎 | 作成日時：2017年9月17日 0時
