アイドル《赤》

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重たい瞼を開けて身体を起こす。






時計を見れば時刻は13時。










あのあと、メッセージを送ってすぐ眠ってしまったんだっけ。










リビングに歩いていくと机の上にあるスマホが目に入る。









……返信、来てるかな。







いや、来てなくてもお仕事が忙しいからなんだろうし、






……でも、来てたら嬉しいな。











そう思ってスマホを開くと通知が2件。













相手は、















『……返って、来てる……！』















登録時は重岡、と無機質な名前で、
何も設定されてないアイコン。









登録名を勝手に大毅くん、と変更してまた高校時代を、思い出していた。















何も設定されず、グレーのアイコンのままなところが凄く大毅くんらしくて、



ちょっとだけ、頬が緩んだ。



















A久しぶりです


A体調はどうですか?


A風邪拗らせないよう、暖かくするようにしてくださいね





大毅くん薬飲んで寝たら少し軽なった


大毅くん敬語、慣れへんからやめてや



















万が一引かれないために、と敬語で送ったけど、
大毅くんにとってはそっちの方が嫌だったみたい。









敬語じゃなくていいって言われたのが、






今まで通りでいいって言われたみたいで。












嬉しかったけど、ほんのちょっとだけ、







あの時のこと、何も気にしてないのかなって
勝手に解釈しちゃって、寂しくなった。






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