アイドル《赤》

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朝起きたら身体がいつもより重かった。





喉も少し痛いし、ああ、風邪やなってすぐ理解した。









ツアー終わって気抜けてたんかもしらんな。








悪化するとあかんから、休んだ方がええのは分かっとるんやけど生憎今日は撮影の日。











明日行くしかないか、と諦めて仕事に向かった。








































神「なん、しげまた体調悪いん？」




重「……またやないし。」




中「いやツアー始まる前も怪しかったやろ。」


















マスクしとるし、大丈夫やろ思てたけど、やっぱりメンバーの目は誤魔化せへん。











普通にバレたし、心配もさせてもうた。














取材やなんやらも終わって、帰れるようになったんは23時過ぎ。







マネージャーが今からでも診察してくれはる所見つけた、言うてたから今日はその言葉に甘えて病院へと直行することになった。











着いたのはここらじゃ1番大きな大学病院。







そういえば、ドラマなんかの撮影にも使われとった気がする。












裏口から入って看護師さんに診察室へと案内される。











……病院に来ると、あいつも将来医者になりたいなんて言うとったな、と懐かしい思い出が蘇る。









周りより頭一つ飛び抜けて成績も優秀やったから、きっと今も頑張っとるんやろな。






















思い出そうとせんでも、あいつとのことが蘇ってまうのは、





きっとまだ、思い出として消化できてへんからなんやろう。












俺から振っといて、って感じかもしらんけど、









俺だってもっとあいつと一緒におりたかった。











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