オトコギライ《桃》

#キライ ページ6

小瀧side






まさか泣いとるなんて思わんから、驚いて固まる。





Aちゃんは俺を困らせる天才やわ……。













色々聞かない方がええんかな。





そう思い、Aちゃんの前に胡座をかいて座る。







こういう時、なんて声かければええんやろ…。






もっと姉ちゃんの少女漫画読み込んどけば良かった……！！



















『…………ムカつく……。』








最善策を考えとると、Aちゃんの口が動き出す。




ムカつく……？え、俺…？





















『……ずっと、2人で楽しかったのに。


あんた達がっ、絡むようになってから、大好きな智くんが変わってもうた…！



私のことっ、分かってくれへんしっ、私が1番やなくなったっっ…！！





……だから、酷いことして邪魔しよ思ってたのに、



なんかっ出来ひんくて…。』

















声をつまらせながら、でも一生懸命に話してくれるAちゃん。





なんか会ったばっかん時もこんなことあったなぁ…。















『…………どうしよう。



私っ、もう智くんのこと好きとちゃうのかもしらんっ……！』



















肩を震わせながら呟くAちゃん。









そんな姿に、思わず笑みがこぼれる。






小「…ははっ…！」




『っ、何笑っとんねん！！！！』




小「や……ごめ、なんかおもろくて笑」




『はぁっ！？…こっちはなぁ、真剣にっ…』





小「…だってしゃーないやん。


お前、男嫌いやし口悪いし面倒くさいし。


何かっつったらすぐ怒って挙句に中指立てる女なのにさ。





時々こんな弱々しく悩んだり、泣いたりするんやもん。







……そんなん、可愛すぎてもっと好きになってまうやん。」






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