オトコギライ《桃》

#キライ ページ30

小瀧side









目の前で物凄い勢いで焼きそばを啜るAちゃん。











小「…口いっぱいに入れてほんま可愛ええなぁ♡」









『あ？こちとらはよ智くんとこに戻りたいねん！！』













……相変わらず言うことは可愛ないけど！！！



















どんどん減っていく焼きそばを遂に完食。













『っしゃ、戻る！！！』







小「は！？それはあかん！！！

おま、速すぎんねん！！！」







『やかましいわ！！手離せ！！』









小「…っ俺がAちゃんとおりたいねん！！」















思わず、言うはずやなかった言葉が口から出る。











でも、これでAちゃんも俺んこと少しは意識してくれるんちゃうか？
















『なおさら戻る！！！絶対戻る！！！！！』

















………あぁ、こいつはたしかこういう女やったわ。









そんな上手いこといくわけあらへんよな、








ってのは建前で、











いつになっても俺を見てくれへんAちゃんに少し腹が立つ。






















小「…なぁ、そんなに神ちゃんがええの？」







『当たり前。……てか自分知っとるやろ。』















いつになったら、その瞳に俺を映してくれるんやろか。















いつになったら、俺が隣におることが当たり前になる日がくるんやろか。















…………もしかしたら、そんな日こうへんのかもな。

























せやけど、俺絶対振り向かすから。
















































小「…じゃあ例えば、そこに俺が入る隙はあらへんの？



















…………男嫌いは、治らへんの？」









さっきよりもAちゃんの腕を掴む手を強くする。





ほんま、細くて折れてまいそうやわ。







































『…何、言うとんの……？』

























目を更に大きく見開いたAちゃんの声は、










珍しく震えとった。







.

#キライ→←#キライ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す