マネージャー 無表情 それから。[WEST]

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桐山side





ドアを開ければ、赤や黄色に染まる景色。





すっかり風は肌寒くなって、世の中は"秋"っちゅうもんになった。









重「…Aの手に涙が落ちたら目が覚める、みたいなこと起きへんかなー。」




中「起きるわけあらへんやろ。映画の観すぎや。」




桐「まぁ、起きるもんなら起きて欲しいなぁ笑」















季節を春、夏と2つ跨いでもまだAは起きへんかった。







あまりにも回復が見られないAに俺らは不安しかあらへんくて、1度担当医の方に聞いたことがある。


ほんまに、Aの命は保証されてはるんですか？って。










そしたら医者は

「いつ目覚めるかは分からない、という言葉をもっと重く受け止めてください。」

って一言だけ言うてん。







軽く受け止めてるつもりなんて1ミリもあらへんかったけど、専門的な目で見ると俺らもまだまだやったんかなって、痛感した。


















3人で廊下を歩いて着いた部屋には、今日もAが寝とるんやろな。





重「A起きろー。」


桐「いや一言目から唐突すぎるわ笑」



中「……あ、これ持ってきたんやった。」













そう言って淳太くんが鞄から取り出したんは、なうぇすとのライブDVD。







今回のはA観れへんかったしな。









中「起きたらこれ観て感想聞かせてな？」

















約10ヶ月の間にAの周りには俺らのグッズが溢れかえっとった。



DVDにCD、雑誌にライブグッズ。







退屈そうやった部屋もすっかり賑やかになって、まるで空いた時間を埋めてるみたいやった。

















重「…っし、そろそろ始めよか。」





腕まくりをしたしげがそう言うのを合図に、俺と淳太くんも各自準備をする。
























俺らがAの為に直接してあげられる、数少ない支えを今日も始めよう。









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