マネージャー 無表情 なぜ。[WEST]

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あなたside



『こちらをご覧下さい。』




出したのは1つのUSB。秘書らしき方がすぐに再生出来るものを用意してくれる。





社「……これは？」



『これは、小瀧が宿泊中のホテルの監視カメラの映像です。時刻は23:28。
飲み会が解散となったのは22:30頃と聞きました。
お店からホテルまではタクシーで10分。
……おかしいですよね？』





社「……中林、どういうことだ？」


中林「こ、これは……。」






『そして撮られた場所。白黒で見づらいかもしれませんが、よく見ると××通りだということが分かります。
2人が向かっている先、何があるかご存知でしょうか？』






マ「この先は……たしか、タクシー乗り場があります！」




中林「っっ！！」






『そうです。中林さん、貴方は酔った、などと言い、小瀧に送ってもらっていたのではないでしょうか？
酔ったと言われたら、近づかれても離すことなんて出来ませんよね？』





社「……どうなんだ。」























中林「……全部、その人の言う通りです。昨日の夜、酔ったフリをして小瀧さんに送ってもらいました。」




社「なんで嘘なんかついたんだ！！」



中林「私、彼に振られて。いっそのこと、撮られてしまった方が意識してくれるかな、って……。だから、記者の方を雇って、お願いしました。」








小瀧さんの、期待させないようにっていう配慮が逆に仇となってしまったのか……



社マ「本当に、申し訳ありません。」

社「こちらから、訂正のコメントを出しておきます。」





『事務所側が、タレントを信じるのは当たり前です。……中林さん、今後は、嘘をついて周りの方を裏切ったりしないでくださいね。』





頷いたのを確認して、部屋から退室する。



社長さんとマネージャーさんはずっと頭を下げていた。





携帯を見れば、既にネットニュースで大荒れ。



ファンを辞める、という方も出ている。





今から文書を提出して、番組で取り上げてもらうのに早くても3時間はかかるだろう。









今日中に解決できて良かった。






あとは、出演予定の番組スタッフさん、ライブでお世話になる方、そして今日出演するイベントの主催者の方に謝りに行くだけ。







そろそろ10時。

多少は早いけど、向かってしまって大丈夫だろう。







自販機で買ったコーヒーを飲んで、アクセルを踏んだ。

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