マネージャー 無表情 なぜ。[WEST]

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あなたside




久しぶりに、夢を見た。


















お母さんの夢。





















あの日は、台風が過ぎたばっかりで、川の流れが速かった。
簡単に体なんて持ってかれてしまうぐらい。







大人だって危ない、それなのに川に入っていた子供がいた。



周りがやばい、って思う時にはもうその子は見えなくなっていて。

よく探してみれば、川の流れに逆らえず、溺れてしまっていた。





怖かった。水が、人の命を奪う瞬間を目撃している、その事実が私の思考を停止させた。























だから、お母さんが川の方に走っていっても、動くことが出来なかった。



















そこからはあまり覚えていない。
気がついたら病院にいて、お母さんが助けた子供とその親が泣きながら謝ってきた。





ああ、お前らは助かったのか、なんて。酷いことを考えてしまった。









産まれてから、お父さんの顔も見たことがない私を引き取ってくれる親戚もおらず、孤児院へと行くことになった。


















これが、お母さんの望んだ未来なのだろうか。自分を犠牲にしてまで人を守って、私をひとりぼっちにするのが望みだった？
























ちがう。そうじゃない。




わかってる、わかってるよ。

お母さんはきっと、自分も溺れてる子も、どっちも助かると信じて川に入っていった。

だって、お母さんはそういう人だ。



馬鹿みたいに優しくて、強くて、笑顔が、素敵な女性。











この事は誰も悪くない。
大人になってそう思えるようになった。
強いて言うなら夏休みで観光客が沢山いる時期の直前にきた台風が悪い、うん。










でもたまに、考えてしまう。
あの時私も関わっていれば、ちゃんと動けていれば、違う未来が待っていたのかな、って。

わかってる、筈なのに。








まぁ当時6歳の女の子に何が出来るんだって話だけど。















今日は眠れると思ったけど、目覚めは最悪。
この夢はどうしてもネガティブになっちゃうから。













薬を飲んで、眠気を覚ます。

もうそろそろ収録も終わって、彼らが帰ってくるだろう。






『驚くだろうなぁ…』





各々のリアクションを想像したら、不思議と心が軽くなった。

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