はじめまして、また明日(2)/フジ ページ11
それからと言うもの、俺は毎日公園に通っていた。
花ではなく君を見るため、という少し不純な目的で。
「こんにちは、Aさん」
いつも通りベンチに座っている彼女に声をかける。
「…えっ、あ」
でも帰ってきたのはいつも通りではなくて。
「Aさん？」
すると彼女は手帖をちらりと見て
「…何でもないです、フジさん。」
申し訳なさそうに、悲しそうに笑った。
どうしたの、何が君を悲しませているの？
そう問いたいけど無神経だから駄目だ。
「そっか」
「あ、そう言えばこの前何か言おうとしてたの、思い出しましたか？」
ふとこの前の事を思い出した。
「へっ、」
「あれですよ、思い出せないから明日話すねって言ってた」
「あ、あー！それもう忘れちゃいました」
えへへっ、と無邪気に笑う姿は
とても愛らしかった。
彼女と過して、分かった事がある。
彼女は花が大好きな大学生。
忘れっぽい所がある、天然さん。
それから、毎日手帖に日記をつけているそうだ。
「…私、用事があるのでもう帰りますね」
もう帰っちゃうのか…。
まぁ、明日も会えるわけだし
わがまま言えないよね。
「わかりました」
彼女を近くまで見送ろうと思い立つと
「…あの、これ」
そう言って差し出されたものは、
青くて小さい、綺麗な花だった。
「これは…？」
「本当は花を摘むのは少し気が引けたんですが、どうしてもあなたに渡したくて」
僕に…？
「これはなんて言う花なんですか？」
「それはご自身で調べてみて下さい」
そう言って少し悲しそうに笑い、踵を返す君。
その笑顔は触れたら消えてしまいそうなほど
儚く綺麗だった。
こんなにも今が満たされているのに
胸騒ぎがするのは、
君が居なくなってしまう気がするのは、
どうしてだろう。
「また明日！」
そんな不安を消すべく、大声で背中に叫んだ。
「…さようなら」
君が居なくなりそうで、怖い。
▹▸ next…?
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透夏(プロフ) - きのこの子さん» 返信遅くなってすみませんっ。始まりましたねツアー！私も参加予定です！これからもっと面白い話を更新していくのでよろしくお願いします！ (2016年11月13日 22時) (
レス) id: bc92396a77 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの子 - 更新待ってます！！ (2016年11月8日 12時) (レス) id: 5f6b825457 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの子 - あと少しでＭＳＳＰの全国ツアーですね！！ (2016年11月3日 8時) (レス) id: 5f6b825457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透夏 x他1人 | 作成日時：2016年9月11日 15時
