45話 ページ47
カナエとの仲を取り戻し、また特になんの変哲もない日常を送っていた。
「任務ゥ!!任務ゥ!!A!!急げ!!」
目を開けると、カラスが我の腹辺りにとまっているのが見えた。
「イツマデ寝テイルンダ!!早ク起キロ!!」
寝てしまっていたのか。
仙人は通常、眠る必要がない。だが、最近一刻ほど寝てしまう時がある。
すっかり俗世に染まってしまったのだろうか。
『行こう。』
すぐに、寝ぼけた脳を覚醒させ、立ち上がり外に出た。
「ケッ、今日ハ大仕事ダゾ。心シテカカルンダ!
一般隊士二名ヲ送ッタガ、カナリ苦戦シテイル!!加勢シニ行ケ!!」
目的地に向かいながら、烏から情報を聞いた。
大仕事……
『もしや、十二鬼月か?』
「十二鬼月デアル可能性アリ!!トニカク急ゲ!!」
十二鬼月の可能性がある。中々手強い鬼なのだろう。
だが、一般隊士は苦戦しているだけで、まだ死んでいない。
階級の高い隊士なのか、はたまた、運の良いやつなのか。
そんな事を考えていると、なにやら甘い匂いがしてきた。
いや違う。
これは死骸が放つ悪臭だ。
そして、また暫く走ると、大きな屋敷が姿を現した。
庭一面に咲いた彼岸花。
その光景は美しくも、酷く不気味で悍ましいものだった。
屋敷の戸を開け、敷地内へ入った。
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作者名:kogyu788 | 作成日時:2023年5月3日 16時