44話 ページ46
自分の屋敷に戻ると、なんだか少し安心した。
色々なことがありすぎた。
気を抜くと、また眠ってしまいそうになる。
だが、まずはカナエに会いに行かないと。
地面を蹴って、蝶屋敷に行った。
どこだ、カナエはどこにいる。
『カナエ!』
いた。
カナエは椅子に座り、机に向かっていた。
手紙を読んだのだろう。
「Aちゃん…?」
そのままの勢いでカナエをつい、抱き締めてしまった。
『カナエ。すまなかった。』
言いたいことは他にもあるが、真っ先に言いたかったのはこの言葉だ。
よかった。
言えた。
「Aちゃん。
私もね、Aちゃんと一緒にいるのが大好きなのよ。」
“私も貴方といると楽しいよ”
脳裏にどうしても彼女が浮かぶ。胸が張り裂けそうになる。
カナエを抱きしめる腕の力が強くなった。
『絶対に、カナエだけは守るから。』
もう、大切な人は失いたくない。
『約束させてくれ。』
今度こそ、守るんだ。
「えぇ、勿論。私もAちゃんのこと守るからね。」
それがどんなに困難な道でも。
我は、
我の使命を果たしてみせよう。
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作者名:kogyu788 | 作成日時:2023年5月3日 16時