我っ子系仙人！【鬼滅の刃】 (ページ44)

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42話ページ44

娘は走り出した。

此奴を見てると落ち着く。

彼女とも、カナエとも似てるけど、違う。

独特な感じ。

兄を失って辛いのだろうに、我に対して親身に接してくれる。

何故、この娘のような善人から、大切なものを奪われてしまうのだろうか。

「もうちょっとで家につくよ！」

しばらく走ると、小さな家が見えてきた。

「ここだよ！入って！」

家の中には、布団が二つ敷かれているだけで、家具はあまりなかった。

強いていうのなら、小さな机と小さな箪笥が一つずつあるだけ。

「ちょっと待ってて。」

そう言って娘は何処かから、紙と筆を持ってきた。

「口で言えないときはね、紙に書いて伝えるの！」

早く早く、と急かされた。

しかし、書くべきなのだろうか。

このことはカナエに知られたくない。

怖い。恐ろしい。

これを言ってしまったら、カナエまで失ってしまうのではないか。

「あー！！お姉ちゃんまた変なこと考えてるでしょ！！」

はっ、とした。

この娘は、考えてることがわかるのだろうか。

「いいから書いて！！絶対上手くいくから！」

『何故、絶対と言い切れるんだ？』

「なんとなく！！

上手く行かなかったら。また一緒に考えよ！！私お姉ちゃんと喋るの楽しい！」

駄目だ。

この娘の笑顔に負けた。

「えぇ！？書くことってそれだけ！？

もっと沢山書いた方が良いよ！！」

『まだ、お前のような小娘には分からないだろう。』

これで全て伝わる。

カナエ。

我は、”お前と一緒にいること”が大好きだ。