37話 ページ39
「Aちゃん？大丈夫？」
カナエ……？
『あ、あぁ。大丈夫だ。心配するな。』
あぁ、そうだった。
他人が嫌いになったのは
彼女が死んでからだ。
「ごめんなさい。私変なこと聞いちゃったかしら。」
違う。
カナエは何も悪くないんだ。
全部自分が悪い。
『すまない。少し吃驚しただけだ。』
「そう………ならいいんだけど。無理しちゃ駄目よ。
なんでも私に言ってね？」
これ以上心配かけちゃいけない。
また、忘れよう。
忘れれば、また全て元通りになる。
『カナエの話を聞かせておくれ。』
「あら、分かったわ。
ふふ、Aちゃんに聞かせたい話は沢山あるのよ？」
それから、カナエは面白い話をしてくれた。
妹の話や、任務先での出来事。
でも、内容が頭に入ってこない。
どうしても、彼女のことが忘れられない。
「……Aちゃん、体調が悪いんじゃない？
顔色が悪いわよ？」
ずっとカナエに心配されている。
『あ、あぁ。あまり気分が良くない。
今日はここら辺で解散にしよう。』
帰って、落ち着かないと。
「ええ、勿論。もしよかったら、蝶屋敷に来る？
今は、重傷の隊士がいないから看病できるはず…」
『大丈夫だ。これ以上心配かける訳にはいかない。』
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作者名：kogyu788 | 作成日時：2023年5月3日 16時
