21話 ページ22
そうあれこれ考えていたら、いつの間にか柱合会議が終わっていた。
「Aちゃん、大丈夫?ぼーっとしてるけど…」
カナエに声をかけられはっ、とした。
少し考えすぎた。
『あ、あぁ。大丈夫だ。』
「そうだ!今日はAちゃんも私も非番だから、気分転換に甘味処に行きましょ!」
カナエが甘味処に誘ってきた。
でも、
今は冨岡と話したい。
『すまない、少しやりたいことがあるんだ。カナエが非番の時、また一緒に行こう。』
「あら、そう………分かったわ!
Aちゃんと甘味処にいけること楽しみにしてるわね〜。」
誘いを断ると、カナエは分かりやすく悲しんでいた。
心苦しいが、今は早く冨岡と喋りたい。
そう思い、辺りを見渡したが、冨岡の姿はなかった。
天眼を使って冨岡を探してみた。
もう自分の屋敷に帰っているようだ。今すぐそこに行こうと思った。
“我の事を忘れているんじゃないか。”
そんな考えが頭をよぎった。
我の名を忘れているから、名を呼ばないんだ。
そうだそうだ。
何故こんなにも単純なことに気づかなかったんだろうか。
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作者名:kogyu788 | 作成日時:2023年5月3日 16時