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18話 ページ19

「お……さ……きろ」






そう言われ、誰かに背中を突かれた。


だが、相手に敵意はない。このまま眠ることにしよう。










「おい、A。起きろ。」


よくよく聞くと、冨岡が、我を起こしているようだった。




『ぶれいもの…………われの…からだにふれるな』




まだ目が開かないし、口もうまく回らない。


我は布団にくるまった。






「朝飯が鮭大根だ。早く」


そう言って冨岡は、我に被さっている布団を剥がした。


睡眠を妨害されて苛々した。







昨日殴らなかった分、冨岡を殴ろうと思って体を起こした。








『きさま……われの、すいみんをぼうがいするな。』


冨岡の顔を思いっきり睨んだ。














「……は…」







すると、冨岡は我を見つめたまま、昨日のように動かなくなってしまった。


『どうした。気でも狂ったか?』


頭を少し叩いてみたが、ピクリとも動かない。














すると、いきなり冨岡は動き出し、そっぽを向いた。





「着物、乱れている。」




冨岡の耳が少し赤くなっていた。





寝ぼけた頭のまま、自分の体を見てみると



帯が外れていて、肩や足の際どいところまで露出していた。




『あっ……』



自分の顔が、ばっ。と赤くなることが分かった。






素早く服を着直した。






『す、すまない。嫌なものを見せた。』







「いや、大丈夫だ。それに、お前が女だと確証も持てた。」





冨岡はムフフと笑っていた。





少し気持ち悪かったので。我は冨岡を殴った。

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作者名:kogyu788 | 作成日時:2023年5月3日 16時

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