13話 ページ14
それから約一か月。
今日、我と冨岡の刀が届くそうだ。
昼頃、ひょっとこの面をつけた男が家を訪問してきた。
「水の呼吸と雷の呼吸の使い手ですか。いい色が見れそうですね。」
鞘から刀を抜き出してみると、我の刀の中央に稲妻の紋様が浮かび上がった。
冨岡の刀は、青色に変色したようだ。
「凄く綺麗な色ですね。貴方方のご活躍の報告を楽しみにしております。
万が一刀が折れてしまったら、すぐに連絡してください。」
そう言って刀鍛冶は帰って行った。
「いい刀鍛冶に会ったな。刀鍛冶は面倒くさい奴が多いんだ。」
鱗滝はそう言った。
何か返事をしようと口を開こうとしたが、烏に遮られてしまった。
「伝令!!伝令ダ!!義勇!A!
オ前ラニトッテ初メテの任務ダ!!心シテカカレェ!!
今スグ南西ニ向カエ!!」
我の烏がそう叫んだ。
「行ってこい。お前らの無事を儂はここで祈っている。」
そう言って鱗滝は我らを抱きしめた。
別れなど腐るほど経験した。
だが、今回はどこかいつもと違う。
辛い、悲しい。
なんとなく目尻が熱くなった気がした。
『手紙。お前のために定期的に送ってやるから、必ず返事をしろ。』
バツが悪くなってきたので、そう言い残してその場を去った。
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作者名:kogyu788 | 作成日時:2023年5月3日 16時