吹奏楽部員の思い出 (ページ2)

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プロローグページ2

よかった…サックスのオーディション受かって。

私はこの春に高校生になった。
そして何より楽しみにしていたのが部活！
そう、部活！

私は中学から吹奏楽部に入っててサックスをやってたんだ！
ちなみに私は中学では始めはバリトンサックスをやってたんだけど途中からアルトサックスになった人なんだよ。
先生に音楽表現が上手いから主旋律の多いアルサクをやってって頼まれたからね。

まあ、そんなことは置いといて、とりあえず高校でも吹奏楽に入りサックスになることが決定しました！

あ、楽器の種類はまだ決まってないよ。
アルトかバリトンかって感じらしい。

私はアルトをやりたいんだけど、もう一人受かった子がサックス未経験だから私は重量があって大変そうなバリトンに回される気がする…。

そうなったらやだなあ…。
私バリトンそんなに上手くないし、アルトのほうが自分の才能を絶対に生かせる！！
だから、アルト！アルトがやりたい！
自分に向いてない楽器は嫌だよ！

うう、でも、私がバリトンになる予感しかしない。

～後日～
エミ「響ちゃん、私たちで話あったんだけど、初心者の美紅ちゃんにバリトンは負担が大きいからバリトンをやってくれない？
コンクールが終わったら変えてもいいから」

部活の時間、エミ先輩に言われた。

やっぱり、か…。
予想通りだけど嬉しくない。

それにこんな風に言われたら断れる訳がない。
初心者にバリトンは負担だ。でもやりたくないよ…。
アルトになる可能性もなくはない。
だってエミ先輩がコンクールが終わったら変えてもいいとか言ってるから。
だけど、どうせそうはならないんだろうなあ。
美紅ちゃんは楽器を変えてほしくないだろうし、アルトをやりたいって言ってたから。

はあー……。

断れない。先輩との仲を入ってそうそう悪くするなんて小心者の私には無理。
そして、初心者を痛め付けたい訳でもない。

もう、これは仕方がないんだ。

私が断れないような言い方しないでほしかった。
美紅ちゃんが経験者ならよかった。
能力勝負のオーディションをしてほしかった。

数えたらキリがなく思いは溢れる。

私はそれに蓋をした。

こんな運命はありなのか。
私は幸せになれない人間なのか。

不満を持ちつつも返事をした。

「………わかりました」

アルサク、やりたかったなあ。

私はこの時からずっと我慢し続けることになった。