４３ ページ46
「じゃあ、チャーリーさん。私、もう行くね。」
私は立ち上がり、チャーリーさんに背を向けた。
「どこにだい？」
歩き出そうと……逃げようとしたとき、そんな問いかけが飛んで来た。
「置屋に、帰るわけじゃないんだろう？」
私は返事をすることが出来なかった。
その言葉が、図星だったから。
「どこにって……」
何処だろう……。
私は、いったいどこに行こうとしていたんだろう……。
「お、置屋に決まってるでしょ？
女将さんにも、迷惑かけちゃったし……。」
たどたどしく嘘を並べる。
そう、私は置屋にも女将さんにも迷惑をかけている。
ここは、すぐに帰らなくてはいけないところだ。
でも、あの人が、音二郎さんがいたらと思うと、足はそちらへ向かない。
「……そっか。」
長いような、短いような沈黙の後、チャーリーさんが言った。
「もう暗いから、気を付けるんだよ。」
「ありがとう。」
公園の出口に向かって歩き出したその時、また声が飛んで来た。
「ああ、そうそう。
泉さんの小説から抜け出してた化ノ神、昨日の夜戻ってきたらしいよ。」
ぴたりと私の足が止まる。
あーあ、気付かれてたか……。
「それはよかったね。」
私は振り返らずに歩き始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あき(プロフ) - スズシロさん» ご指摘、ありがとうございます。修正いたしました。そう言っただけて嬉しいです(^^)ありがとうございます！ (2020年1月16日 22時) (
レス) id: 9c8110894d (このIDを非表示/違反報告)
スズシロ - ページ8の夢主の台詞に誤字が…！素敵な作品でのめり込んでしまいます。白雪さんとの会話が大好きです。 (2020年1月14日 20時) (レス) id: 2278f8332d (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 蛍さん» ありがとうございます！！頑張ります！ (2019年2月7日 17時) (レス) id: 75edeed284 (このIDを非表示/違反報告)
蛍 - 凄く泣ける!!感動しました!!これからも頑張ってください!! (2019年1月31日 21時) (レス) id: 9dca3fdc31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2018年9月2日 0時
