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音二郎さんには、一目惚れだった。
チャーリーさんに連れられて鹿鳴館に侵入したとき。
「勝手に入ったことには謝ります。すぐに出ていきます。すいませんでした。」
芽衣さんをかばって、藤田さんの前に出た私は、怖くて怖くて仕方がなかった。
向けられる視線、芽衣さんにつかまれた腕から、かすかな震えが伝わってきた。
初めてあった人。
どんな子かもわからない。
でも、守らなきゃって、なぜか思った。
不幸になるのは、いつだって私だけでいい。
そう思っていたからかもしれない。
けど、
「おいおい、善良な市民に刃物向けるってのは、どういうことだよ。藤田警部補さんよぉ。」
誰も助けてくれない中で、唯一私の前に立って、かばってくれたのは、ほかでもない音二郎さんだった。
そのあと停電になって、うまいこと抜け出せた私たちは、結局行く当てもなくさまよっていた。
そこで今度は女性の姿の音二郎さんに助けられた。
それが私たちを鹿鳴館で守ってくれた人だって知った時には、運命じゃないかと思った。
けど、日が経つにつれて、音二郎さんの気持ちは、私ではなく芽衣さんに向いていることに気が付いた。
同室なのだから、仕方がない。
そう思ってずっと諦めてきた。
諦めようと思ってきた。
思い込みだって、きっと気のせいだって、
そう望むこともあった。
けど、私は、その望みは、いつだって叶わないものだった。
一緒に過ごすにつれて、明確になっていくそれぞれの思い。
分かってしまうことが、本当に嫌だった。
けど、私は、ずっとずっと、音二郎さんに惹かれ続けていた。
でも、もうおしまいだ。
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あき(プロフ) - スズシロさん» ご指摘、ありがとうございます。修正いたしました。そう言っただけて嬉しいです(^^)ありがとうございます！ (2020年1月16日 22時) (
レス) id: 9c8110894d (このIDを非表示/違反報告)
スズシロ - ページ8の夢主の台詞に誤字が…！素敵な作品でのめり込んでしまいます。白雪さんとの会話が大好きです。 (2020年1月14日 20時) (レス) id: 2278f8332d (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 蛍さん» ありがとうございます！！頑張ります！ (2019年2月7日 17時) (レス) id: 75edeed284 (このIDを非表示/違反報告)
蛍 - 凄く泣ける!!感動しました!!これからも頑張ってください!! (2019年1月31日 21時) (レス) id: 9dca3fdc31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2018年9月2日 0時
