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「俺が笑ってどうするんだよ！！」
ひーひー言いながらお腹を抱えて笑っていた音二郎さんは、落ち着いてくるとそう言った。
何がそんなに面白かったのだろうか。
ブスッとしている私に、反省の色もなく『悪ぃ、悪ぃ』と謝る音二郎さん。
「まあ、無理に笑うのも良くないか。」
さっきとは正反対の物言いに私はムッとした。
人の笑顔を見て散々笑っていたくせに。
「そのうち、自然に笑えるようになったら、また見せてくれよ」
「頑張ります」
私が言うと、音二郎さんは満足げにうなずいた。
「んじゃあ、帰るか」
「はい。じゃあ、芽衣さんを呼んできますね」
「いや、芽衣は先に帰ったから、大丈夫だ」
私は驚いて、芽衣さんを探しに行こうと踏み出した足を戻してしまった。
「もう、帰ったんですか？」
「ああ。さっきの座敷、鏡花ちゃんが来てただろ？それで酔いつぶれてな。芽衣が送っていくことになった。」
「そうですか。じゃあ、早く帰りましょうか」
「そうだな」
番台さんに花代をもらい、まだ残っていたお姐さんたちに挨拶をしてから、料亭を出た。
「仕事、結構できてたな」
「まだまだですよ」
二人きりの帰り道。
お化粧とお酒の匂い。
ポカポカした心と、熱い顔。
「なあ」
しばらく黙っていた音二郎さんが聞いてきた。
「なんですか？」
「戯曲……書いてんのか？」
突然のことで言葉に詰まったが、私は正直に答えた。
「……はい。あまりうまく書けていないんですけど……」
「そうか……楽しみにしてるぜ」
そう言って、音二郎さんはニッと笑った。
「酔ってるんですか？」
まさかそんなことを言われると思っていなかった私は、つい、そう言ってしまった。
「酔ってねぇよ」
「酔ってるんですね」
「だから、酔ってねぇって」
そんなやり取りを繰り返しながら、置屋まで私たちは歩いた。
この時間が、永遠に続けばいいと思った。
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あき(プロフ) - スズシロさん» ご指摘、ありがとうございます。修正いたしました。そう言っただけて嬉しいです(^^)ありがとうございます！ (2020年1月16日 22時) (
レス) id: 9c8110894d (このIDを非表示/違反報告)
スズシロ - ページ8の夢主の台詞に誤字が…！素敵な作品でのめり込んでしまいます。白雪さんとの会話が大好きです。 (2020年1月14日 20時) (レス) id: 2278f8332d (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 蛍さん» ありがとうございます！！頑張ります！ (2019年2月7日 17時) (レス) id: 75edeed284 (このIDを非表示/違反報告)
蛍 - 凄く泣ける!!感動しました!!これからも頑張ってください!! (2019年1月31日 21時) (レス) id: 9dca3fdc31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2018年9月2日 0時
