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「今回の商品のキャッチコピーをさ、『日常生活に新たな色を』みたいな感じにして、見えてる景色を全部青色に例えて徐々に色が入っていくみたいなイメージにするとか?」
「おお、それだと会社のイメージも新しく生まれ変わるみたいなメッセージも込められるね」
「んーーと、こーんなカンジかなぁ」

隣でもくもくとタブレットに向かっていた佐久間が俺たちのざっくばらんなアイデアの要点を一瞬で拾ってイメージに起こしてくれる。


「おお!スゲーいいじゃん!」
「へへー、まだジャストアイデアだけどね。もうちょっと色の配色とかこだわりたいな」


わざわざご指名受けるのも納得が出来る。

今日はうす紫色のパーカーを羽織ってタッチペンを握り、にゃはー、と笑う佐久間。


パーカーは佐久間のお気に入りのスタイルなんだろうな。

ほとんど内勤だから出来る技だろう。
いや、内勤でも普通は許されないけどな。


「よし、今日はもうこんな時間だし一旦切り上げるか」

ふっかの声掛けで凝り固まった肩をほぐすようにんー、と伸びをする。

「佐久間さん、この後時間あります?ご飯行きたいなーってずっと思ってたんですけど」

康二が佐久間に走り寄って声をかけに行く。元気だな。
俺は今日は帰ろーっと。


疲れた思考には気分転換に中毒的にマーブルチョコが食べたくなって、
パタパタとPCやらノートやらを片付けていく。


「えー佐久間さんの事誘ってくれんの?うれしー!けど、ごめんね。今日は帰んなきゃ」
「あっ、そうなんですね。じゃあ仕方ないです」
「俺の恋人が待ってるからね〜。じゃっ、おっつー!」

ぴゅーん、とタブレットを抱えて会議室を出ていった。


「・・・ええ!?佐久間、彼女いるんだ!?」
「俺も初耳だったんだけど!」
「僕、振られた〜〜」

残された俺ら3人はてんやわんや。

「えー見てみたいなー。クッソー俺らよりリア充してんじゃん!」
「でも逆にこの歳で彼女もいない仕事一筋の俺らの方が危ないのかもよ」
「ぐはぁっ!今の言葉、めっちゃ刺さるって〜阿部ちゃん〜〜」


結局みんな、いくつになっても恋バナは大好きだ。

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作者名:透季 | 作成日時:2021年5月23日 17時

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