守りたいもの ページ9
男は少し考えて納得する。
「あぁ、そっか。囮か！その間に鍵を奪う算段だったのか！」
「違ぇよ！！」
次元は怒鳴る。
「ふーん？違ったかぁ。」
檻の鍵が開く音がする。
ルパンの傍に寄るA。
「Aちゃん！大丈夫？」
ルパンの胸元を探る。
「わっ！わっ！ダメだって、こんなところで！」
鍵を取る。
次元が振り向く。
「おい！A！」
動こうとしたら足元を撃たれた。
動けない。
まるで興味無さそうな顔でこちらを見るA。
そのまま男の所に歩いていく。
Aは鍵を受け取る。
「あれは？」
低く冷たい声色。
「なんでもないよ、兄上。さぁ行こう。」
嬉しそうに話している。
「さぁおいで、家衡。」
何度も出る名『家衡』。
次元は銃を構える。
「おい！てめぇ！Aを返せ！」
後ろでルパンがこっそり応援する。
「そーだ、そーだ！鍵も返せぇー！」
お供から刀を受け取るA。
「撃っても良いが傷をつけぬ自信はないぞ。」
次元はたじろぐ。
撃つ？
俺が？
Aを？
そんな事できるか！
隣の家衡と呼ばれる男を撃った。と同時に次元は後ろから撃たれた。
家衡を撃った弾はAが家衡の前に出て切り裂いて弾道をかえていた。
「次元！」
ルパンが駆け寄る。
Aの頬にはそれた弾の破片で傷がついた。
「刀を扱うのも上手く馴染まぬな。」
ルパンと次元に向かい素早く距離を詰めると刀を振り上げる。
ルパンはAに銃を向けるが撃ちきれないでいる。
どこにも窓など無いのに強い風が吹いた。
Aちゃん！
心の中で呼んだ瞬間、Aの動きは止まった。
「さようか。では命までは奪わぬ。連れて出でよ。此処へは戻らぬ事だな。」
踵を返して家衡の方へ歩いていく。
「さぁ、行こう。」
二人は奥に消えていった。
ルパンは次元を抱えて出てきた。
お供達は何もしてこなかった。
撃とうとすれば撃たれるかもしれない。
だがそんな事をすると今撃たれて倒れている次元が餌食になる。
撃たれたのは腰から腹にかけて。
内臓を傷つけてなけりゃいいが,,,。
五右衛門と不二子を呼び戻し急いで病院に担ぎ込んだ。
次々と五右衛門と不二子に聞かれるが、なんと答えたらいいのかよくわからない。
「あんなマネすんのお前さんだけかと思ってたぜ、五右衛門。」
弾を真っ二つに斬るAの顔はまるで五右衛門の鋭い眼光と重なった。
「どうしたらいいんだよ、次元よぉ,,,。」
弱々しく下を向いた。
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黒い羊(プロフ) - リオさん» ありがとうございます！ルパン三世初のコメント嬉しいです！がんばります！ (2019年10月5日 0時) (
レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 面白かったです！前編から、一気に読みました。またこのシリーズ作ってくださいね〜！待ってます♪ (2019年10月5日 0時) (レス) id: 893af52793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月18日 1時
