祈りの地下空洞 ページ8
降りていくと迷路のようになっている。
Aの声が響いてきた。
「やだー！だせー！」
「静かにしてよ、兄上が起きちゃう。」
「早く出してよ！」
「ダメだよ。」
先程の男との会話だろうか。
「それより鍵が一つ盗まれたみたい。あの仕掛けを取れるのは兄上だけかと思ったけど。兄上の鍵だけでも手に入って良かったな。」
「鍵とかどうでもいいからだせー！」
ガチャンガチャンと金属の音がする。
声を辿ると大きな空間に大きな檻が一つ。
中にはAが暴れていた。
「家衡のばーか！」
男は少し驚いて、優しく笑った。
「君にもわかるのか。君は小さい頃の兄上に少し似てるね。」
奥の方にも迷路は続いている。
その先を指差した。
「どうせ鍵を盗んだ奴等もここを通らざるをえないからね。その時に返してもらおう。」
「出せよ！」
「ダメだよ。」
後ろのお供が報告をする。
「うん、わかった。兄さんが起きたら教えて？」
男はどこかへ行った。
ルパンが次元に話しかける。
「おい、どーする？作戦練ってから来るか？」
次元が答える前に後ろから声がした。
「その必要はないよ。」
ルパンと次元はぽんと背中を押された。
驚いていると男が笑う。
「ここは僕の庭みたいなものだからね。君達の後ろを回り込むなんて児戯に等しいよ。」
お供が銃を構えた。
男は次元を見て笑顔になる。
「君が穴を開けた人か。礼を言うよ。」
何の事だかさっぱりわからない。
Aは青い顔をしている。
「やめて！その人達に手を出さないで！」
「でもこの人達のせいで狙われたのに？」
「いいから！お願いだから！」
「君は本当に兄上に似てるね。」
次元は煙草を咥える。
「何故あいつを捕まえた？」
火をつけて煙を吐く。
「やめてよ、ここ換気扇は無いんだよ？」
嫌そうな顔で答える。
「そいつは俺が聞いた質問の答えじゃねぇな。」
次元は苛ついた様子で返事をする。
「君のアキレス腱だろ？彼女。調べたよ。ここ三ヶ月石川五右衛門がうろうろしてたからね。絶対君達が来ると思った。正直置いてくるとは思わなかったから驚いたけど、おかげで造作もなく連れてくることができたよ。」
男は事も無げに優しく答える。
「そいつは一般人だ。逃がしてやれ。」
「それはできないな。彼女は僕にとってもかけがえのない人になってしまったからね。鍵も返してくれる？あれは兄上のものだからね。」
男はすっと手を出した。
左手にのせろと言わんばかりに。
そして右手は銃を握っていた。
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黒い羊(プロフ) - リオさん» ありがとうございます！ルパン三世初のコメント嬉しいです！がんばります！ (2019年10月5日 0時) (
レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 面白かったです！前編から、一気に読みました。またこのシリーズ作ってくださいね〜！待ってます♪ (2019年10月5日 0時) (レス) id: 893af52793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月18日 1時
