二本目の鍵と再会 ページ7
達谷窟は岩に抱かれるようにある毘沙門天堂だ。
つまりお墓ではない。
「さて、こっからだが,,,。」
ルパンが見渡す。
崖の上に白いひらひらが見え、すぐに無くなる。
「あんなところに登れんの？」
ルパンが呟き、すぐに黙る。
口元に手を当て考える。
何か見覚えがある。
なんだ,,,？
「森の奥から登れるかしら？」
不二子が歩く。
獣道を歩いていくと足跡があった。
辿って行くと木々に隠された小さな洞窟。
奥の方が広くなっていく。
小さな祠と何人かの人間がいる。
少し隠れる場所があったので様子を見る。
「さ、もう行こう。」
最初に振り返ったのは金色堂の男。
若く細身の男だ。
長く手を合わせていたのは白い服を着た女だ。
まず五右衛門が青くなる。
不二子がそれを見てもう一度女を見る。
次元が言葉を失った。
あのワンピースは,,,。
立ち上がって振り返ったのはAだった。
手には鍵。
男に渡す。
「気をつけて、ここは危ないですから。」
男は手を出してAは嬉しそうに手を握った。
二人はお供を引き連れて出ていく。
Aは洞窟を出るとき呟いた。
「また来よう、吉次。」
低く、落ち着いた、まるでAではないような声で。
「なんでここにあの子がいるのよ！」
不二子が怒る。
鍵を取られた事も腹立たしいのだ。
あまりの出来事に見ているしかできなかった。
次元と五右衛門が洞窟を飛び出し、そして後をつける。
車に乗りどこかへ走り去る。
車の特徴とナンバーをみる。
後ろからルパンと不二子が車で走ってくる。
「乗れ！二人とも！」
次元は理解した。
何故昨日はあんなに静かだったのか。
何故邪魔が入らなかったのか。
居なかったのだ。
平泉に。
だが何故Aが奴等と共にいる？
嫌がっている風もなかった。
何故。
車は山の奥の建物に入っていった。
まるで隠されるように木々の中に作られていた。
「ここがお家かぁ？」
ルパンが離れたところに車を停める。
建物に近づくとルパンと次元はこっそり入り込んだ。
外の二、三人ほどの見張り以外は誰もいない。
どこだ？
ルパンは奥の部屋を見る。
「おい、次元。」
小声で呼ぶ。
来てみると地下への階段がある。
「地下か,,,。」
次元が呟く。
「鬼が出るか蛇が出るか。」
ルパンが降りていく。
「虎穴に入らずんば虎児を得ず。」
次元も降りていく。
鍵と女とプライドを取り返す為に。
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黒い羊(プロフ) - リオさん» ありがとうございます！ルパン三世初のコメント嬉しいです！がんばります！ (2019年10月5日 0時) (
レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 面白かったです！前編から、一気に読みました。またこのシリーズ作ってくださいね〜！待ってます♪ (2019年10月5日 0時) (レス) id: 893af52793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月18日 1時
