金色に輝くお堂にて ページ5
車が止まる。
「疲れたぁー！」
「長いのよ,,,。」
ルパンと不二子が文句を言いながら降りる。
次元は黙って降りて身体を伸ばしている。
五右衛門が後に続く。
「ここが中尊寺かぁ。」
ルパンが見ながら歩いている。
「金色堂ってあるんでしょ？」
不二子は金が好きだ。
「観光かよ。」
興味なさそうに答える次元。
ムッとした不二子は嫌味で返す。
「Aが来てたら喜んでたかも知れないのにね。」
何か言い返すかと思ったが次元は何も言い返さない。
次元は考えていた。
「綺麗だね！」
きっと笑って傍にいたはず。
車を降りる時だっていつもなら笑顔で甘えて来たはずなのだ。
この三ヶ月ずっと一緒にいたせいか頭から離れない。
まだ１日だって離れていないのに。
昨日の顔がちらつく。
『会いたい,,,。』
聞こえた言葉は誰の言葉だったか。
「ここでござる。」
「で？どーするの？」
不二子は早く黄金に会いたいのだ。
「この金色堂には仕掛けがあるのでござる。夜来て鍵を貰い受ける。」
金色堂に手を合わせ、背を向けて出る。
ルパンはセキュリティを見ている。
「おい、次元。なんだか怪しい奴が,,,。」
ルパンが話しかけても次元はぼーっとしている。
「次元ちゃーん？」
「ん？あぁ。なんだ？」
「連れてきた方が良かったんでないの？」
「んなわけあるか。」
「傍に置いておかないと守れないでしょ？」
「連れてくるのは危険だろ？」
「怪しい奴もいるしねぇ。」
ルパンは目だけ動かした。
「あぁ、ありゃ一般人じゃぁねぇな。」
「どんな感じだ？」
「よくわからねぇな。」
「泥棒か？」
次元はルパンの胸ポケットにあるワルサーをポンポンと叩いた。
「こいつの準備は必要だな。嫌な雰囲気がある。」
「物騒な世の中だ事。」
不二子が来る。
「お！不二子ぉ〜。五右衛門は？」
黙って指を指した先には修学旅行の学生に勝手に写真を撮られる五右衛門がいる。
「肖像権がぁ〜。」
ふざけるルパンに不二子が呆れる。
「世も末ね。礼儀もへったくれも無いわね。怒らないのが凄いわ。」
「全くだ。」
ホテルの一室で五右衛門が本を取り出す。
「鍵は三つ。清衡、基衡、秀衡と名のついた鍵でござる。」
「泰衡はないの？」
不二子がもらってきたパンフレットを見ながら聞く。
三人は顔を見合せ、首を傾げる。
「残りの鍵はどこだ？」
「二つ目は縁者の墓。」
「縁者？」
不二子は不思議に聞く。
「誰の縁者のなのかもわからぬ墓でござる。ただ、『縁者の墓』と。」
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黒い羊(プロフ) - リオさん» ありがとうございます！ルパン三世初のコメント嬉しいです！がんばります！ (2019年10月5日 0時) (
レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 面白かったです！前編から、一気に読みました。またこのシリーズ作ってくださいね〜！待ってます♪ (2019年10月5日 0時) (レス) id: 893af52793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月18日 1時
