決断は一人でしてはいけない ページ4
あれから次元はソファーで寝た。
朝ごはんを作りながら不二子とAは楽しそうに話している。
不二子は昨日の話に触れてみたい気もしていたが、拗れるのも困るのでやめておいた。
ただ話の折に一言。
「次元はあなたの事大切なのね。」
それだけ伝えておいた。
目を伏せ困ったようにするAにそれ以上は言えなかった。
男達は旅支度を整えている。
ルパンは次元の荷物に違和感を覚えた。
「次元ちゃぁん？少なくない？」
「そうか？いつもこんなもんだろ？」
不二子の声が聞こえる。
「ご飯よ。」
みんなで楽しく食事を済ませ、車に荷物を運び込む。
「んじゃぁ行こうぜ！」
ルパンが笑顔で家を出る。
不二子がAの方を見る。
次元がAのところに歩いていく。
「お前は連れて行かねぇ。」
一斉に振り向く。
「いや、どういう意味だよ！」
「一人にする気でござるか！」
「ちょっと！大人げないわよ！」
「どういうもこういうもねぇよ。こいつは泥棒じゃねぇ。普通の女だ。」
そのまま踵を返し車に乗り込む。
「巻き込むわけにゃいかねぇな。」
荷物が少なく感じたのはいつも通り一人分だったからだ。
不二子がAを見つめる。
「えぇ、行かないわ。」
伏し目がちに小さく呟く。
「ホントにいいの？」
少し考えて困ったように笑う。
「足手まといになりたくないの。」
不二子は考えていた。
前にもこんな会話してたっけ。
次元のバカ。
せっかく笑えるようになったのに。
またこんな顔させるなんて。
「すぐ帰るから。ちゃんと待ってなさいよ？」
不二子の言葉には答えず、笑顔で見送った。
五右衛門はAの頭を優しく撫で、そして耳元で何かを囁いてそのまま車に乗り込む。
「おい、ホントにいいのか？」
ルパンの質問にも答えず次元は前を向いている。
「んじゃまぁ、行きますかぁ！Aちゃん！お土産買ってくるね〜！」
車は走り出した。
後ろで手を振るA。
五右衛門が次元を一瞥して呟く。
「残念だ。」
次元は前を向いている。
何も答えない。
北に向かって車は走る。
「私は知らないからね！」
不二子は不機嫌だ。
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黒い羊(プロフ) - リオさん» ありがとうございます！ルパン三世初のコメント嬉しいです！がんばります！ (2019年10月5日 0時) (
レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 面白かったです！前編から、一気に読みました。またこのシリーズ作ってくださいね〜！待ってます♪ (2019年10月5日 0時) (レス) id: 893af52793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月18日 1時
