焦りと欲と愛と ページ3
「もうなんと言うか,,,べったりね。」
不二子は呆れ顔でお酒を飲んでいた。
会えなかった時間を埋めるように五右衛門がAの傍を離れない。
それを黙って見ている次元。
「おいおい五右衛門？そろそろ,,,。」
ルパンが何故かおろおろしている。
時計の針は11時半を指した。
「そろそろ寝るぞ。」
Aの手を引く次元。
「明日も話そうね！」
嬉しそうに手を振るA。
「おやすみ〜！」
笑顔で手を振る不二子とルパン。
隣で不機嫌そうな五右衛門。
横目で二人はチラ見した。
次元とAが見えなくなると二人は一斉に五右衛門に声をかけた。
「あんたねぇ、ちょっと何考えてんの！」
「やりすぎだぁ、五右衛門。」
五右衛門は動じもせず淡々と答える。
「拙者は元々諦めた訳ではないからな。いつでも守る覚悟はできているでござる。」
部屋に戻った次元は引いていた手を離す。
「お風呂入らなきゃだよ。」
寝間着の準備をはじめるAに苛立ち、煙草に火をつけた。
「おい、どういうつもりだ。」
一口吸っただけの煙草を潰して消す。
「なにが？」
不思議そうなAに近付き腕を掴む。
あまりの勢いに驚きかたまるA。
そのまま壁に抑えつける。
「痛いよ,,,。」
息もできないほどの口づけで次元は怒りをぶつけた。
苦しくて小さな声を漏らしていたAは抵抗していたがやがてなすがままになった。
やがて唇から首に落ちていく快感にまた小さな吐息を漏らすのだった。
「だめ,,,みんながいるよ,,,。」
「そうだな。」
そう返事した次元は一向にやめる気配がない。
服を脱がせて優しく弄ぶ。
「聞かせてやろうぜ？」
その一言を口にした瞬間次元は頬を叩かれた。
驚き頬を抑える次元。
悲しみとも怒りともつかないような顔のA。
服を直し、寝間着を抱えてそのまま部屋を出ていく。
残された次元はしばらく考えていたが、帽子をかぶり部屋を出た。
そのまま庭に出て煙草を咥える。
火もつけずに。
「何やってんだ俺は。」
帽子を深くかぶり下を向く。
向こうからイチャイチャしながら夜の散歩を楽しんでいるルパンと不二子が歩いてくる。
「なぁにやってんの？次元、こんなところで。」
「何でもねぇ。」
不二子は見透かしたような顔で腕を組んでいる。
「次元,,,あんた、焦ったんでしょ。」
不二子は次元に背を向け家に帰っていく。
「あの子は五右衛門にマウントとるための道具でもトロフィーワイフでも無いのよ？」
ルパンは次元の煙草に火をつけ、家に戻った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒い羊(プロフ) - リオさん» ありがとうございます！ルパン三世初のコメント嬉しいです！がんばります！ (2019年10月5日 0時) (
レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 面白かったです！前編から、一気に読みました。またこのシリーズ作ってくださいね〜！待ってます♪ (2019年10月5日 0時) (レス) id: 893af52793 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月18日 1時
