人の望みと人の想いを ページ17
「そう？清衡はそれでも幸せな時間を過ごせたみたいよ？あなたと二人、話す事ができて,,,。」
お堂の燃え屑に触れ目を閉じる。
「あの時私の心に隙間があり、そこに入れたのは間違いなく清衡があなたに会いたいと、話がしたいと願ったから。」
そして立ち上がり家衡の方を向く。
「今の私には隙間は無いし。長い間入られていると境界線がよくわからなくなるから今の私にはどうなってるのかも予測はつかないけれど,,,。」
下を向き泣いていた家衡の肩に手を置き、優しい笑顔で話す。
「生きなさい、幸せな人生を,,,。」
家衡にはその笑顔が清衡の笑顔と重なった。
「本当によく似ている,,,。」
「お説教タイムは終わりね。清衡、許してね。」
そう言うとお堂のあった場所をルパンと片付ける。
少し掘ると壺が出てきた。
「なぁに？漬物？」
不二子は不思議そうな顔で見ている。
「藤原家当主のへそくり。本当はもし家衡が生きていたらって貯めてたみたいだけど。」
開けると黄金の塊がゴロゴロ入っていた。
「随分歪だなぁ。」
ルパンが驚く。
「良質ではあるでしょ。大仏は持って帰れないしね。」
Aが壺を取り出す。
壺の中の金を人数分に分け、それを皆に渡す。
家衡は驚いている。
「本当なら全部あなたのだけど、手ぶらじゃ帰れない人達だから。それにあなたには特大が一つあるから。」
不二子はため息をつきながら黄金を見ている。
「仕方ないわね。」
ルパンはAの顔をみて笑う。
「わかってらっしゃる〜！」
次元は無茶しすぎて倒れている。
「早く帰ろうぜ。」
五右衛門は倒れた次元を見つめている。
「早く処置した方が良さそうでござるな。」
自分の少しの火傷を擦りながらAは続ける。
「それからここの事はあなたに任せる。隠しておいてもいいし、葬ってもいい。私達はもう忘れるわ。」
家衡の耳元で何か話している。
「兄上はどちらを望むだろうか,,,。」
呟く家衡にAが聞く。
「あなた、今の名前は？」
「翔。」
「翔としての人生を幸せに全うしてくれる事が清衡の望みよ。」
翔は少し下を向き、頷いた。
「うん,,,。」
それを見て嬉しそうに笑うA。
「私達は先に行くわね。」
お互いを支え合いながらその地を後にした。
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黒い羊(プロフ) - リオさん» ありがとうございます！ルパン三世初のコメント嬉しいです！がんばります！ (2019年10月5日 0時) (
レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 面白かったです！前編から、一気に読みました。またこのシリーズ作ってくださいね〜！待ってます♪ (2019年10月5日 0時) (レス) id: 893af52793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月18日 1時
