離れゆく真実 ページ5
目的地は博物館。
1902年に開館した由緒ある建物だ。
俺は正直来たくなかった。
他人のお守りなんざまっぴらごめんだと言った。
「そぉ言うなよ？次元〜。必要なデータを取る事とこのアジトから一時的にAちゃんを遠ざけるいいアイデアだと思うぜぇ？俺は。」
「じゃ五右衛門が適役だろ！」
「だ〜めだめ！あんな日本刀ぶら下げて博物館まで行ったら特別警戒中のとっつぁんにあっと言う間に見つかっちまうぜぇ？それに,,,だ。」
ルパンは顎に手を当てて何か企んでいる。
「あの子は俺達の知らない何かを知っている気がする。そいつをお前さんに調べて欲しいのさ。」
「あぁ？なんだそれ。」
記憶のルパンに聞いてみるがまぁ答えちゃくれねぇだろう。
しかしさっきのとっつぁんとの会話は参った。
金かけてやろうが国のお墨付きを貰おうが、あいつにとっては全て『元の持ち主からしたら泥棒と一緒。』なんだそうだ。
「まぁ,,,そうかもな。」
目的地で俺は職員に、あいつは観光客。
自然に色々な場所を観光している。
今日の服装はワンピースじゃない。
軽装で動きやすく観光客に混じる服装をルパンが買ってきた。
元々持っていたあめ玉をいくつかポケットに忍ばせて嬉しそうに新しい洋服を鏡で見ていた。
薄めの色のサングラスをしてアクセサリーを付けられ、持たされたのはハンドバッグと時計。
色々見てはいるが、実際必要なデータは左腕の時計、ネックレス、右腕のハンドバッグからの映像データだ。
残るは関係者以外立ち入り禁止の部分。
なに食わぬ顔でそばに寄り指示を出す。
「先に出てろ。」
無反応のまま出口に歩き出すA。
Aの前から歩いてくるのは展示する場所を下見に来たハサンだ。
明日から展示に向けてセキュリティの強化を始める。
Aは目立たぬように脇を抜ける。
ハサンは部下を呼び何かを耳打ちした。
部下がAを呼び止めた。
ヤバいか,,,？
通訳が日本語で伝える。
「観光の方、お食事でもと主は言っています。」
あいつはちらりとこちらを流し目で見た後、少し考えたふりをしてにっこり笑いながらこう言った。
「えぇ、ちょうどお腹が空いていたの。」
「やべぇぞ、こりゃ,,,。」
職員の格好では付いていく事もできずに、ハサンにエスコートされ車に乗るAを見送った。
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ユン(プロフ) - 黒い羊さん» いえいえ！応援しています！ (2019年11月12日 6時) (
レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
黒い羊(プロフ) - ユンさん» ありがとうございます！他の方からの意見は参考になるのでありがたいです！次の作品に生かしてみます！ (2019年11月12日 0時) (レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 作品を拝見させていただきました！！！ストーリー性が素敵で面白い作品だと思います！ちょっと厳しめに感じたことをいうと○○がーだった。という表現などを例えば彼女の顔にはまばゆいばかりの笑顔が溢れていた、だとかうまく表現を工夫したらいいのではと！ (2019年11月11日 23時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月6日 8時
