問答と列車 ページ4
私は列車に乗る。
私の仕事は邪魔をしないこと。
それからバッグに隠したカメラで博物館の中のセキュリティや配置をつぶさに撮る事。
と言っても歩き回るだけ。
列車で２、３時間揺られる旅ではあるが言葉のわからない所ではただの地獄だ。
チケットは行きも帰りも渡して貰った。
行って帰るくらいできるはずだ。
心配なのか私にはお守りがついた。
日本刀は目立つのか五右衛門は来てくれなかった。
いつも何考えてるのかわからない次元とか言う人。
私に銃を向けた人。
変装していて正直誰だかわからない。
後ろの席に座ってるけど他人のふり。
元々話す事なんか無いから別にいい。
私は衣食住さえ約束してくれたらいいのだ。
そう。
家に帰るその日まで。
帰れるかどうかはわからないけど。
窓の外を見ていると向こう側から日本人ぽい人が歩いてくる。
後ろには機動隊みたいな格好の人が何人か。
茶色いコート、暑くないのかしら。
「お嬢さん、こちらに座っても？」
「どうぞ。」
「こんなところで日本人に会えるなんて奇遇ですな。ご旅行ですか？」
「えぇ,,,まぁ。」
「最近この国にルパン三世が予告状を出しましてな。何かと物騒になりますから早く帰国された方がいい。」
「ご親切にどうも。」
私はポケットに入っていた梅の飴を食べる。
「お一ついかが？」
「いや、私は,,,」
そういいかけたその人は思い直したように受けとる。
「いただきます。」
少し舌の上で転がしながら味わい、嬉しそうに言った。
「ん、うまい！懐かしい,,,味ですな,,,。」
黙っているとその人は自分が警官であること。
ルパンの一味がエメラルドを狙っている事。
ルパン三世は大悪党であるという事を饒舌に語りだした。
私はどうでもいいその話を聞き流し、ふと思った事を聞いてみた。
「その３人の泥棒を捕まえる為に何人日本からいらしてるの？」
「50人ほど。それでもルパンには足りないくらいです！」
へぇ。
すごいのね。
「私、思うのだけれど。古代の人の物であるそのエメラルドは別に売却された訳では無いのだから古代の人にとっては現代人は泥棒と一緒よね。」
そう言うとお巡りさんは複雑な顔をした。
「親の財産を相続したと思えば,,,。」
「全く血は繋がってはいないけれどね。そう言う意味では古代の王女は現代人の富豪も泥棒も同じように見ているのではないかしら？」
列車は目的の駅に着いた。
私とお巡りさんと後ろのお守りが降りた。
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ユン(プロフ) - 黒い羊さん» いえいえ！応援しています！ (2019年11月12日 6時) (
レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
黒い羊(プロフ) - ユンさん» ありがとうございます！他の方からの意見は参考になるのでありがたいです！次の作品に生かしてみます！ (2019年11月12日 0時) (レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 作品を拝見させていただきました！！！ストーリー性が素敵で面白い作品だと思います！ちょっと厳しめに感じたことをいうと○○がーだった。という表現などを例えば彼女の顔にはまばゆいばかりの笑顔が溢れていた、だとかうまく表現を工夫したらいいのではと！ (2019年11月11日 23時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月6日 8時
