クレオパトラの誘惑 ページ15
次元が起きたのは昼過ぎだった。
頭が痛い。
リビングには五右衛門。
「遅いぞ。」
静かに言葉を発する。
「わりぃな。頭が痛くてよ。」
どんな顔したらいいんだよ。
「こんな日に二日酔いでござるか？」
「いや、酒は飲んでねぇ。」
「では行くぞ。」
「俺達だけでか？」
「二人は先に。」
「なんで？」
「やることがあると。」
「一人でも良かったわ。」
スタスタ歩くA。
行き先はホテル。
私服で招待される訳にはいかない。
何せ相手は大富豪ハサン。
そして大きなエメラルドの御披露目会なのだ。
「そう言うなってぇ。仲良くしよーぜぇ？」
ルパンは変装している。
「喧嘩なんかしないわ？」
「そぉじゃなくってぇ,,,。」
がっかりしていたルパンがふと顔を上げる。
「怒ってる？」
「怒らないわ。」
「素直に言っていいんだぜ？」
「怒らないわ。ただ,,,」
「ただ,,,？」
「不安なだけ。」
この女は特別美しいと言う訳ではない。
だが時々異様に惹かれる顔を魅せるのだ。
「着替えるわ。」
ホテルのトイレに入り、ハサンにもらったドレスに着替える。
メイクはホテルの一室でルパンが担当。
メイクは変装に通じるものがある。
「お美しいですよ、王女様。」
グリーンのドレスに合わせたグリーンを基調としたメイク。
「まるでクレオパトラだ。」
髪を上げボブくらいに毛先が来るよう束ねる。
「今流行りの香水を,,,」
そう言ったルパンを制止して手を出す。
「貴方の香水を貸して。」
男物の香水をほんの僅かに纏う。
「ホラ、あなたの匂い。」
いつもの声ではない、男を誘うような言い方。
そしてルパンの首に腕をまわす。
僅かに匂う男物の香水と身体の匂いが混ざり香水だとわかっているルパンでも嫉妬しそうになる。
「なん,,,だ？」
だめだ,,,堕ちる,,,。
そう思った瞬間Aはルパンから離れる。
「これなら平気かしら？」
ルパンは冷や汗をかいていた。
「勿論,,,。」
そのままドアに向かい歩き出すA。
「いきましょ。」
またいつもの声に戻ったのを聞いてルパンは身震いした。
「女って怖ぇ,,,。」
ルパンの耳にはピアス型の通信機。
話す時は時計を触りながら。
こちらに来てから作ったおもちゃの一つだ。
「着いたぜ？」
次元の声が聞こえた。
「おう、こっちも万端よぉ。見せたかったぜ、クレオパトラ。」
「はぁ？」
作戦決行まであと三時間。
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ユン(プロフ) - 黒い羊さん» いえいえ！応援しています！ (2019年11月12日 6時) (
レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
黒い羊(プロフ) - ユンさん» ありがとうございます！他の方からの意見は参考になるのでありがたいです！次の作品に生かしてみます！ (2019年11月12日 0時) (レス) id: e982612239 (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 作品を拝見させていただきました！！！ストーリー性が素敵で面白い作品だと思います！ちょっと厳しめに感じたことをいうと○○がーだった。という表現などを例えば彼女の顔にはまばゆいばかりの笑顔が溢れていた、だとかうまく表現を工夫したらいいのではと！ (2019年11月11日 23時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒い羊 | 作成日時：2019年9月6日 8時
