緑谷出久のお姉ちゃん【ヒロアカ】 (ページ4)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:19,832 hit

第二話弟は大切ページ4

「Aちゃんは個性あるんだよね？」

『…うん、炎操作って個性持ってるけど』

「へぇ〜弟が無個性ってさぁ、恥ずかしくない？」

彼女は一体、何を言っているのだろう
言葉的な意味は分かるが、その意味や意図が全く読めない

彼女は一体、何がしたいのだろうか
弟を大切にしていると言う友達の前で弟をバカにするなんて人として最低なんて思わないの？

『それは、どういう意味？』

「え？だってさ、普通に考えてみ？自分の親戚に無個性がいるってだけで恥ずかしいのに、それが弟とか！一周まわって絶滅危惧種的な無個性だよ？笑」

本当に、何を言っているの？
絶滅危惧種？出久みたいに無個性で辛い思いをしてきた人がこの世にどれだけいると思っているの…
最低…

『…私、見る目がなかったみたい』

友達は、選ばなくちゃ

「あ、やっぱり恥ずかしい？双子の弟が無個性はやっぱ大切にする相手間違えてるよ！」

『これ以上私の前に現れないで』

きっとその時の私は、酷く冷たい目で彼女を見ていただろう
蛇に睨まれた蛙のように縮こまった彼女は、震えた声で言った

「A、ちゃん？どうしてそんなに怒ってるの？」

彼女はこの状況になっても自分がどんな立場が分かっていないようだった

『私は弟を一度たりとも恥ずかしいなんて思ったことないよ。私からしたらずっと可愛い大切な弟なの。あなたみたいな人が、ヒーローになんてなれると本気で思ってるの？』

言い方がキツイ気がしたが、ここまで言わないとバカには伝わらないだろう

「っ酷い！私はAちゃんを心配しただけなのに！」

彼女はそんな言葉を吐き走ってどこかへ消えてしまった
あの言葉を心配だなんて彼女はもう一度小学生からやり直した方がいいと思う
まぁこれが誰かに見られれば、内申点に響くため近くに誰もいないのは運が良かった

そう思う私を他所に静かな廊下に声が響き渡った

「来世は個性が宿ると信じて、屋上からのワンチャンダイブ！」

声の主はきっと、私の幼なじみである爆豪勝己だろう
そして、言われているのはきっと＿＿＿

『出久！』