白亜の殿堂 ３ 【Sho&Nino】

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しばらくして、バックミラーのあたりに視線を落ち着かせた櫻井さんが

「だな〜」と呟いた。




その一言と一緒に漏れ出した吐息に、疲労の色が色濃く漂っている。



めまぐるしく働く脳細胞は、きっとものすごいエネルギーを使うんだろう。






翔「でもさー、案外アッサリ片付きそうな気もするんだよ……
　ニノのことだからさぁ……」



いつもキッパリしたトーンで話す櫻井さんにしては珍しく、

あやふやな手応えの言葉をポソッと口にした。




櫻井さんでもこういう事があるんだな……ってわかって、ちょっと嬉しくなる。




いつも、先の先まで見通して

見えない部分でさえ明確に予測を立てて

迷い無く進むスーパーマンみたいな櫻井さん。



でも、スーパーマンだって衣装に着替える時間は必要だし

衣装を洗濯する日もある。

あ、あれはスパイダーマンだっけ……? まあ、いいわ。

なかなか見る機会がない、ヒーローの裏方の時間。



櫻井さんにも、裏方の――迷って決めかねている時間は確実にあって

それが、まさに今なんだろうな。




_「自称・秘書の人相は、できるだけ詳しく伝えます。
　柴田さんのスケジュール調整が必要なら、言って下さい」



翔「んー。あとは俺の方のな〜……」



言いかけた櫻井さんが、急に フッ と口元を緩めた。


今……笑った……？




_「何か？」



翔「ん……いいね」




突然、いいねって

何か良いアイデアでも浮かんだ？

それとも、キレイな女性が通った？二宮さんじゃあるまいし…





翔「なんだろな。周波数がシンクロするっていうのかな……このウェーブ感・笑」




満足そうに笑いながら、いよいよ謎なことを言い出す櫻井さん。





スーパーマンの裏方の時間はやっぱりスーパーで、凡人には理解不能……

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