白亜の殿堂 ３ 【Sho&Nino】

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雅「ジャジャーン！
　嵐世の会、5人目の候補が見つかりましたっ！」


翔「うそ！マジ！？」



想定外の情報に、思わずシートから身を乗り出した。



暗がりに沈む車のフロントガラスに、俺のスマホのライトが反射する。



Aちゃんを、ちょっと驚かせてしまったかもだけど……

それほどのビッグニュースだ。




雅「マジマジ。昼過ぎに智君から電話があってさ。『いいヤツ、見っけた』って」


翔「ぉぉぉぉぉ。ついに5人か！」




5人……



次の選挙で5人とも当選できれば……嵐世の会は、【嵐世の党】に昇格できる。



どこぞの、助成金目当ての政党と一緒にされたくはないけど
党への昇格は俺達の目標の一つではあった。


なぜなら、5人に満たない集団では、まとまった政治活動はほぼできない。


政党未満の、単なる仲良しグループっていう扱いだから
政見放送はできないし、
国会で質問に立つ事もままならない。



党への昇格を果たせば、潤君達の活動の幅は飛躍的に広がっていくんだ。





けど……



翔「このタイミングは、さすがに厳しいな」



頭の中にカレンダーを思い浮かべながら、シートの背もたれに体を預け直した。




選挙はもう目前。


現時点で、俺とニノは柴田陣営のフォローで手一杯。

当初は一週間の予定だったけど
今、手を放すわけにはいかない。


そんな中で、新しい候補者もフォローして、次の選挙に間に合わせるのは……
はっきり言って無理だ。



雅「ところがどっこい♪
　今回の人はフォロー不要。何の心配もいらないってさ」


翔「それ、誰発の情報？」


雅「もちろん智君」


翔「……珍しいな」


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