白亜の殿堂 ３ 【Sho&Nino】

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雅「まさか、もう静岡にいるとは思わなかったよ〜」


翔「ごめんっ！悪かった！！うっかりしてた！」




Hホテルの裏の駐車場。

俺はレンタカーの運転席で、スマホを耳にあてながら
見えない雅紀にペコペコ頭を下げる。



助手席には、紙袋を膝に乗せて俯くAちゃん。



駐車場に戻る道々、俺からの説明を受けて、

「私……呂崎議員へのワイロ疑惑を成立させるところだったんですね……」

と少なからずショックを受けているようで。



――Aちゃんが気に病む事はない。

結果的に何も無かった。

今日はそれで充分だろ？


大丈夫。

最後まで、どんな謀略も看破して叩き潰してみせる。

俺を騙せるヤツなんて、百歩譲ってもこの世に1人しかいないんだ。

安心して任せてよ――





そう言いたくて、助手席の方へ体を捻った途端、俺のスマホが鳴り出したんだよ。







ナンバーワン宣言しようとした途端、これかよ！


俺のアイデンティティ、どうしてくれんだよ！







気を使って車外に出ようとするAちゃんの肩を押さえて

「このまま」と助手席に押しとどめてから、

やかましいスマホをタップした。






相葉雅紀







表示を見た俺は……よもやの冷や汗フェスティバル。





やべぇ……

昨夜会ったきり、一度も連絡してねーわ……






そして、冒頭の会話に至るってわけ。




雅「便りが無いのは元気な知らせって言うけどさ〜。
　今日の翔ちゃんは、失踪だよ？」


翔「わかってます。心の底から反省してます」


雅「俺さ〜、報告したい事あってウズウズして待ってたんだよね」


翔「本当にゴメ……ん？何かあったの？」




雅紀は、ふふふんと鼻を鳴らすと

もったいぶって、一呼吸……二呼吸……


背筋を伸ばして、大本営発表みたいな顔してるんだろうな(笑)

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