白亜の殿堂 ３ 【Sho&Nino】

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翔「この車で、一人ずつメンバーを拾っていくことにした。
　柴田さんから始まって
　次は長野で城島さんと、ついでにうちのリーダーを拾う。
　神奈川で高橋さん、千葉で竹下さん。
　最後は東京で松本。
　降ろすのも、同じ順番で。
　参加者は、ご当地名物の食料を持参のこと」


_「……もしかして、車の中で？」


翔「その通〜り。ザ・走る会議室！」



櫻井さんは「どう？テレビ番組みたいだろ？」と、おどけて胸を張った。



いや、そんな笑い事じゃなくて……


_「すごい……効率的ですね……」


これなら、迎えが来るギリギリまで仕事ができる。

移動時間イコール会合時間だし。

本当に無駄が無い。



翔「あれこれ考えたんだけどね。この方法が、色々と都合が良いんだ。
　会議室にいきなり5人集まるより、一人ずつ増えた方がじっくり話せるだろうし。
　名物持参で車に乗ってくれば、会話のとっかかりになるし
　単純に、食いたいってのもある(笑)」
　


私は感心しすぎて、櫻井さんの話にコクコクと頷くばっかりだ。




翔「それに、どこぞの会議室なり店なりに集まったら
誰が見てるかわからないってのもあるんだよ。
5人集まったと知れれば、また妙な事を仕掛けてくる輩が……
せっかくニノが防御を固めたのに、こっちで隙を作ったんじゃ台無しだからな……」



後半はすっかり独り言になっていて、ところどころ言葉が端折られているけど
なんとなく、話の雰囲気はわかる



――嵐世の会の事は、秘密ってわけじゃないけど、聞かれるまでは言わなくていいよ――

柴田さんも、そう言ってた。

この1週間で、その言葉が意味するところが少しは見えてきたかな。

ピタゴラスイッチみたいに、色んな人の思惑が絡み合ってるのよね……






翔「まあそんなわけで、明日は俺、朝から運転手」
.

_「頑張ってください。事故には気をつけて……」



翔「そう、それ！事故ったら、嵐世の会が一網打尽なんだよ。
　俺の緊張、わかってくれる？(笑)」


_「わかります(笑) なんなら、日本の未来もかかってますよね」


翔「プレッシャーかけるねぇ(笑)
　ちなみに、このアイデアの出処は、Aちゃんとのドライブだからね。
　Aちゃんにも、責任の一端を背負ってもらわないと」


_「え!?」


翔「ｱﾊﾊｯ 冗談」


_「ぁ……え……はい……」



冗談……って、どこからどこまで……？



.

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