白亜の殿堂 ３ 【Sho&Nino】

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30分後には、

一泊分の荷物を抱えた遥に、ほぼ手ぶらの二宮さんが

「んじゃ、行くか」と声をかけた。



遥「はーい……って、手ぶら？ まさか着替えないの！？ きったな〜いっ」


二「あのねぇ
俺は東京に出かけるんじゃなくて、帰るの。
着替えなんか、家に帰りゃ山ほどあるんだよ！」


遥「あ……そっか。ニノは東京の人だっけ。忘れてた。アハハハハハ」



賑やかに出発する二人と見送る私達は、ドアに向かって歩き出す。






「お土産買ってくるからね〜♪」と手を振って、遥が先に外へ出た。

麻布名物はタイヤキって言ってたけど……ホントかな……(笑)






二宮さんは、櫻井さんに何か耳打ちしている。




ヒソヒソ……と二宮さんの口元が動いたら
伏し目がちだった櫻井さんの目が カッ と見開いた




更に二宮さんがコソコソと言葉を続けると
今度は櫻井さんの顔が ボッ と真っ赤になった。




真っ赤になった櫻井さんは「んだよっ」と二宮さんの肩を小突く。




小突かれた二宮さんは、ニヤッと笑って、櫻井さんを肩でグイグイ押して……





なんだ、ジャレてるのか。





ヒソヒソ話してるから、まだ何か問題があるのかと、緊張してしまった……








遥「ニ〜ノ〜！ バス来るよ〜っ」



事務所の前で遥が叫ぶ声。

歩行者の皆さんは、ビックリしてるだろうなぁ。



二宮さんは「あのﾊﾞｶ…」と呟いて

櫻井さんは苦笑いしてる。




翔「ご近所中が ニノって誰だよ！ って、注目してるんじゃね？」


二「ま、期待を裏切らない自信はありますけど……
　あのバァちゃんのツレだと思われるのが屈辱すぎて(笑)」


翔「実際、ツレだろ？」


二「介護要員ですよ。んじゃ、行きます。あとよろしく」


と、ポケットから手を出して、勢い良くドアを引いた。

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